「お客様との出会い」
ホームページをご覧になられてお問い合わせいただきました。木造系の工務店様のモダンな建築にあうエクステリアをというご要望であり、緑のある暮らしをこれから楽しみたいという願いを持たれてご来店いただきました。
「現地にて」
まだ建築中の敷地に訪れました。もともと住宅が建っていた土地だったのでしょう。更地にして一からのご新築です。
高低差1mほどの擁壁が作られています。敷地に対しての道路からの開口が小さい、旗竿地に似たお土地でした。車の乗り入れと人の歩く場所が同じであり、ガレージとアプローチを分けることができない条件でした。
家までの高低差を上がる階段はすでに出来上がっています。
分譲地の敷地はほぼ長方形がほとんどでデザインもしやすいのですが、今回のお土地は若干他とは違ったお土地。
でもだからこそデザインし甲斐があるというものです。
先程の道路からの入り口と、この階段を結ぶのがアプローチです。しかしあえてそのようなデザインにはせずに、ヒトの向く目線の先の植栽へのアプローチになるようにデザインしたのが今回の事例です。
道路からの車の進入しやすいルートをイメージしながら大胆に斜めにアプローチしています。
このほうが車は入れやすいので、機能優先でありつつ思い切ったデザインにしています。アプローチにはタイルを貼ったりとコンクリートよりは色もあり費用もかけるものですが、ガレージもお庭ととらえた場合には植栽へ誘うルートにもコストをかけていいんじゃないかという発想でこうなっています。
斜めのガレージのラインと家へと上がっていく階段の間を取り持つのが石積のステップです。石積という方法で立上りの美しさに惹かれるこのエクステリアデザインの肝ともいえるステップで、繋いでいます。
既存のブロック塀が残ってしまう側には、花壇を設置して緑の力で古いブロック塀の姿の印象をカバーしています。
ここで使ったグレーのタイルは、お施主様の好みのグレーでもあり、古くなったブロック塀へ気が向きにくくなるグレーでもあります。もしこのタイルが色の濃いものを使えば使うほど、ブロック塀の汚れが気になってしまうことになるでしょう。
そして得意のグリーンのデコレーションで季節感ある花壇にしています。
やはり植栽の力がすごいのですが、あるだけで彩りと癒しを与えてくれます。
勿論世話は必要です。世話が嫌いな方には苦痛になってしまいますが、毎年時期が来たら花が咲く暮らしの中では、人はなぜか期待してしまうのです。これは緑と暮らさない限りわからない心境です。
しかし植物との付き合いは簡単ではありません。でも誰でもできることなのです。。育てるという行動は人の常だからです。苦手は人は目を背けているだけで、向き合えば自ずと見えてくるもので決して難しいことではありません。
自然素材って本当に良くて、味があります。
石積は特に味があるのですが職人さんが時間をかけて築きあげるもので値打ちがあります。多分一生ものだと思います。経年変化で色づき味が出て、革のカバンのような愛着が生まれます。私は革製品が好きで持ちますが、最初は高価ですが使い続けて飽きないと思えば、安い買い物を数回するよりも値打ちがあると思います。
エクステリアも安さを求められることが多い昨今ではありますが、どこか一部には費用をかけて長く愛着のあるデザインを取り入れてはいかがでしょうか。お施主様にはしっかりと取り入れていただきました。絶対、後悔はないと思います。
ここの植栽にはまだ実はドラマがあります。
次回は、どんなドラマだったかを更新してみてもらえたらと思います。