植栽のチカラ

鹿から庭を守れ!~家族のライフスタイルに合わせたローメンテナンスガーデンリフォーム

大阪府 箕面市 森町 W様邸

「お客様との出会い」

約7年前、私がエクステリアの専門会社で勤めている頃のお客様からのご依頼でした。長くお付き合いさせていただいている方です。ご夫婦お二人ともバリバリのお勤めをされておりますが、お庭や自然をお好みで日々お庭を管理していただいてました。

「ご要望・お困り事」

現地は、大阪府箕面市森町という山中にある分譲地です。都会とは少し離れ、自然に抱かれた場所にありつつ都心へもアクセスが可能な人気の分譲地です。自然に抱かれた中には特有のお困り事。それは「鹿」。鹿による食害で植栽が食べられてしまい、健全とは言えない姿になってしまうという、なんとも困ったお困り事でした。食害を防ぐためにネットを樹木に巻き付けたりと苦心されています。こうでもしないと木の幹はかじられて、葉はむしゃむしゃ食べられて見るも無残な姿になってしまいます。

当初からも懸念されていた問題点ではありましたが、当時は植栽にはあまり手を施さず、現地のものを再利用しながらお庭を計画していきました。画像は当時の完工当初の写真とイメージパースになります。

お客様のご希望で、土の感触・草の感触を子供たちに味合わせたいという願いから、すべてを人工のもので覆ってしまわないようにしていました。

約7年の月日を経るうちに、植栽は鹿の食害を受け、さらにご夫婦のお仕事も多忙になり、お子さまの成長に伴いご家族のライフスタイルは変わっていきました。お庭にかける時間もとれなくなり、お庭の土の部分は雑草でおおわれ、緑道側からは既存の野芝が、侵入して花壇を覆い始めていました。お庭に転がる鹿の糞をみて落胆していたそうです。

「ご提案」

そんな現状を脱するべく今回プランしたポイントは、

①お庭への鹿の侵入を緩やかに防ぐ。

②鹿の嫌う植栽の検討

③雑草の管理手間の軽減  に重点をおいてご提案しました。

鹿が嫌う植物ってなんだろうと調べてみたところ、画像の書籍に出会いました。

Author: Ruth Rogers Clausen     Publisher: Timber Press       Publication Date: 2011

amazonで2000円程度で購入できます。

英語で記された内容を理解するのには時間がかかりますが、比較的簡単な表現でまとめられています。日本でも使える植物が多いのですぐに試せそうな内容でした。しかし地域により実践された一事例であり、必ず効果があるという確信を得るような内容ではなかったので、とりあえず実践してみてその効果を検証することにしました。画像の植物は「フッキソウ」「ラベンダー」です。

今回用いた植物は、この本に記載されており、手に入りやすいもので 「ボックスウッド」「クチナシ」「フィリフェラオーレア」を取り入れています。

まず、敷地内の防草ですが、整地後に人工芝を施しています。自然≠人工芝であるのですが、目に写るグリーンの色は人に不快を与えるものではありません。お客様の暮らしに余裕をもたらす意味でも大切な選択です。最近の人工芝は昔のものと違って意外と上等です。

そして、お庭の中へ鹿を入れないように防護柵をすることになりましたが、鹿の跳躍力からすれば乗り越える可能性は十分にあるものです。鹿の侵入を防ぐという目的はもちろんですが、何より庭として調和がとれる柵でなければなりません。柵だけが突出して高くても見映えが悪い柵でしかなく、あからさまにただのフェンスでは、自然に囲まれた雰囲気には違和感を覚えます。選択した素材はYKKAPのエスパリアフェンス。これを木目調のアルミ材を柱として現地造作で施工しています。フェンスには将来的にクレマチスやバラ等のツル性植物でアレンジすることもできます。

外柵のさらに外側に配植したのはボックスウッドと呼ばれるツゲの仲間です。書籍によると鹿の嫌う植物のひとつとしてリストアップされていました。ボックスウッドは虫のつきやすい植物でもあり、鹿が嫌う要素があまりよく分からないと個人的には思いましたが、ひとまず実践するべく選択しました。使い方としては低く刈り込むことで密に繁り、グリーンの帯を庭の周囲にまとわせることができます。乾燥に大変強く、管理も楽な植物です。既存のRの壁に沿ってRラインをボックスウッドで描ければ、素敵なグリーンに仕上がります。

ここで配慮したのは、「管理のしやすさ」です。手の届きにくい場所は、足を踏み入れやすいようにスペースを確保しています。画像にあるように、バークチップを敷き詰めているところは、防草シートも施してあり草が生えないようにしています。

お庭の管理を考えたときに、お庭のすべてを植栽スペースで覆い尽くせば、施工当初は綺麗かもしれませんが、管理能力とのバランスがとれていなければ、月日と共に管理が追い付かずに維持することが難しくなってきます。管理能力や費やせる時間等を加味しながら植栽範囲を決めて、植物を選択していくことが大切です。きれいなお花がたくさん咲いて、木々の緑の中での生活には憧れがあるかもしれませんが、それ相応の努力が育てる側には必要になってきます。

フェンスの内側のスペースにお施主様が楽しめる花壇としての植栽スペースを設けました。日常比較的手入れを必要とする植物はこの場所に植えます。家の中からも見えやすい場所なので日々の変化にも気づきやすいと思います。土として残った場所はごく限られましたが、人工芝は撤去が容易なので、将来時間に余裕ができたときは土に触れることも可能です。

今回のリフォームの中で、お客様のかねてからの願いだった物置です。お庭先におしゃれな物置をということで、物置はお客様の手配で組み立てをこちらでさせていただきました。以下のリンクから物置の詳しい情報をご覧ください。

http://www.woodysakura.jp/

ご夫婦で経営されている様子ですが、対応も丁寧な会社様でした。色あいも建物とお庭にマッチしておりいい感じに仕上がりました。

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