淡路フォトリング~パノラマ景観が綺麗なフォトスポット~

国営明石海峡公園

淡路島にある、国営明石海峡公園のフォトスポットの製作をしました。

2021年に開催されれ「はなみどりフェア」のプログラムの一つとして来園者に楽しんでいただけるようなフォトスポットを提案してほしいという依頼です。普段は戸建て住宅が専門だけに、相談を受けた時は全くイメージがわかずに苦労したのでした。

この場所の景観的な特性は何なのかを現地で調べることからスタートします。フォトスポットというものは珍しいものではなく、全国に沢山のフォトスポットの事例があります。いろいろ見てみると沢山のアイデアが詰まったものがあり、更に悩むことになるのです。

この場所に立った時印象的なのは花と緑と海と空が一体となった景色が眺められるとこです。さらに園路の曲線のラインが景色に写り、この場所ならではの景観があると思いました。カメラで撮影したときに、普通にとったのではその良さが写り切らないことに気づき、スマートフォンのパノラマ撮影機能を使って広く撮影してみたところ、とてもきれいに撮影できたので、このパノラマ撮影がヒントになって淡路フォトリングのデザインの方向性が生まれました。

パノラマ撮影で撮影するとまっすぐなものは少し歪んで撮影されてしまいます。通常の四角いフォトフレームをイメージしていると、フレームが歪んでしまうのでその問題をクリアにした円のフレームを採用しました。そしてパノラマのワイドの景色の中に、お花のリングを散りばめてフォトスポットのデザインを完成させました。

実はこのリングはリバーシブルであることに後から気づきました。リバーシブル!?どういうことかというと反対側から撮影してもフォトスポットとして成立しているということです。山の景色を背景に若干見上げるようなフォトスポットとしても面白い写真が取れました。

お花のリングは全部で5つあります。その5つに青紫系・赤桃系・黄橙系の3色のカラーで彩りを出しています。春に開催されるイベントであり、3月下旬~ゴールデンウイークまで持たせる内容になりましたので開花期と相談してお花を選別しています。

実はこの選定がむずかしくて頭を悩ませました。ピークをどこに持ってくるかでお花を選定するのですが、まずその期間で入手ができ、咲き続ける花を選び出すは、いろんな花を育てた経験がないと難しいものです。

そしてこだわったのは、少ない品種で終わらせず、たくさんのお花を見てもらいたかったので、混植によりリングを完成させてお花畑にしたかったのです。花には同じ色でも実は違いがあります。花の大きさだったり、葉っぱの形だったり色、質感等。その違いを組み合わせながら、そしてそれぞれの高低差の組み合わせも気をつけて配植しました。とてもきれいに仕上がったと自負しています。

配植にあたっては、植栽間隔も少し広めにとっています。広くとると色が出にくいのですが、そのあたりもビビットな色と花数の多い株を入手できたので、植えた直後でもきれいな色が出ていたと思います。花の入手にご協力いただいた、さいたま市の田辺さんに感謝です。

ゴールデンウイークに近づいていくと、株は大きくなり込み合いは避けられないので、最初に密に植えすぎると5月にはモリモリになりそれぞれの花の強い弱いがあるため、負けてしまう花も出てきてしまいます。

3月下旬に植えた時と5月ごろの写真です。随分色が出てきているのがわかります。この期間、花柄積みや摘芯(ピンチ)を繰り返して、混み合いをできるだけ避けつつ、お花が咲き続けるサポートをしてあげなくてはなりません。そこは公園のスタッフの皆様がご尽力してくださいました。

植栽の中で高さを出すのに使ったお花はデルフィニウムとルピナスです。デルフィニウムは前年の秋から実は育てていた株と大鉢を購入して植えたのとで構成しています。この場所は風が強いので、高さの出るお花には支柱で倒れないようにする処置も必要になります。

公園のスタッフの方が、お花に名札を製作してくださったのを見た時はうれしかったです。さすがだなと思いました。

出来るまでの製作側も少し紹介します。

リングのフレームはヒノキでできています。円を作るのは一本の木ではできません。大きい材料を削り出していくつかのピースを造ります。そのピースを繋ぎ合わせて出来上がるのです。いろいろな木材加工会社様を探しまして、実際出向きお話を聞き、作っていただくことになったのは、大阪にある吉村商店さんです。とても丁寧な対応とお仕事でフレームを作っていただきました。ありがとうございました。

そして、このフレームにエイジング塗装を施してもらいます。普通の塗料で一色に色を塗ったフレームはなんか面白みがなかったのと、公園の景色の中で浮いたものになるよりは馴染んだもののほうがいい雰囲気を醸し出しそうだったので、このエイジング塗装を選びました。丸形に加工したり、エイジング塗装をしたりと実は高価なフレームなんです。

 

エイジング塗装は大阪にあるブレットジャパンさんにお願いしています。とても味のある塗装を施してくださいました。ありがとうございました。

 

これらのパーツを現場でくみ上げていただき、スポットのデッキを作っていただいたのはブリーチングツリーさん。いつもお世話になっております木工事のスペシャリストのお二人です。私たちデザインする立場の人間は、描いたものを形にすることはできません。描いた夢を形にしてくれる職人さんはじめ様々な方の協力の上成り立っている仕事であります。日々感謝しつつ、一緒に楽しい仕事ができるように今後も取り組んでいきたいと思います。

フレーム完成後に撮影をしました。さてここから植栽です。植栽は私自身が行いました。なんせもともと花が好きで栽培もしてきましたのでここは誰かにやっていただくわけにはいきません。最後の仕上げができるとても恵まれた最後の工程です。

土壌のpHを計り、有機石灰で酸度調整をします。おおよそ5.5~5.8くらいのpHになるようにします。その数値が高すぎるとアルカリ性、低すぎると酸性になっているのがわかるのですが、どちらもお花には良い状態ではなく元気にそだてない土なんです。

バーク堆肥、ホワイトローム(パーライト)、元肥を加えてひたすらかきまぜた後は、レーキで綺麗にならして植えやすい状態にします。ひたすら混ぜる過程は大変重要な作業です。よく良く混ぜましょう。

 

そして植え付けて完成しました。今回のお仕事、本当に悩まされましたが、最後はとても清々しい気分でした。のちにも何度がこの場所を見に来ましたが、来園者の方に綺麗ですねと言ってもらったり、写真を撮っておられる姿を見ると、いい仕事をさせてもらえたと依頼主に感謝せずには入れませんでした。Y課長ありがとうございました!

フォトリング~番外編~

実は園内のこの二つの植栽もさせていただきました。これもなかなか面白いものが出来たと思います。

その他の施工事例 一覧へ