<お客さまとの出会い>
弊社にお電話でのお問い合わせでした。ご自宅前の道路が拡張されることにより敷地をセットバックすることになり、外構を造りなおさなければならないとのご要望でした。道路拡幅工事の場合は、長期的な計画であり都合よく進むわけでもありません。お施主様と自治体、そして弊社との打ち合わせが必要となり、お施主様にも安心して任せてもらえるような対応力と経験が必要になります。
そして、新しいものと古いものが共存する条件の場合は、デザインにも調和が求められます。
今回の場合、古い石積と和洋が合わさった家屋との調和が大事なポイントになってきます。壁のボリューム、色、配置、動線、安全性などを考慮しつつデザインすることが大切です。
敷地や建物のボリュームに対して門回りが小さく納まらないように、幅を大きくとって門柱も可能な限り高く、素材も重厚感のあるものを選択しました。また、色合いはとても大切で、それぞれを繋ぐように色を選んでいます。
アシメントリーなデザインの中に、石積み風の壁をあしらって表札を備えています。ご要望からクローズドエクステリアになっていますが、門扉は透けたものを使って、少し中の様子がわかるようにしています。リビングからは見えないような壁の配置はされています。
階段回りの造作には工夫があり、最上段と踊り場は張り出した床にし浮遊感を持たせていますが、道路からの階段は通常のおさまりにしてメリハリをつけました。画像ではわかりにくいのですが、タイルの種類を変えてあります。色調は同じにして種類を変えて調和を保っています。
植栽にはイロハモミジとクサツゲ。道路側なので普段はお庭に比べて目が届きにくい場所。混植は避けて管理しやすい、丈夫な植栽にしています。それでいてモミジの樹形は門回りには欠かせない存在感になるように選びました。
門扉を開いて、アプローチに立つと正面にはハナミズキのシンボルツリーを植えました。株立ちのハナミズキは比較的珍しいものです。このシンボルツリーの左側には玄関があります。玄関を出ても、正面に個のハナミズキを眺めることができます。
植栽には、カラーリーフを用いています。イエローの色合いがきれいなものを混植しています。斑入りボックスウッド、プリペット レモン&ライム、フィリフェラオーレアなどでイエローリーフアレンジの植栽になっています。
お引渡し時は12月に差し掛かろうとする頃、新しく出来上がった花壇を使って、お施主様と一緒にお花を植えました。秋のうちに花壇の中にチューリップの球根を隠し植えます。これを隠し球根ともいうのですが、春には一斉に花を咲かせてくれます。息子さんも一緒になって植え付けを完了し、工事はすべて滞りなく完了しました。
植栽は、お引渡しを終えてから生長を続けます。ですのでお引渡しを終えても本当はお渡しできたことにはなりません。引き続き経過を見守りながら、育ちを確認していくように弊社では取り組んでいます。中には枯れてしまう場合も勿論ありますが、可能な限り植替えもさせていただきます。
まず大切なのはお水やりの方法です。植物と初めて向かい合う方にとってはお水やりほどわからないものはありません。与える量が意外と少ないのが共通して言えることです。しっかりとお水やりをしなくてはいけないのですが足らずに枯れてしまう、もしくは生育が思わしくないということがあります。。できる限り長期的にお付き合いしながらその方法などをレクチャーしていけたらと思っています。