<お客様との出会い>
神戸市一円で展開中のエイジングハウス様からのご紹介で、弊社にご来店いただきました。
外構周りについていろんな質問や興味がおありで、打ち合わせ中もいろんな質問がある中、ひとつづつ丁寧に解説しながらの打ち合わせがとても印象的なご夫婦でした。ガルバリウム鋼板の外壁で、平屋の新築。かっこいいエクステリアをご希望でした。またお庭部分においては家族で楽しめる空間を夢見ておられました。
住宅地の角地に位置するこのお土地で、玄関がその角地に近い位置にありました。門回りと玄関までの階段を限られたスペースでまとめることが今回の課題。またガレージと自転車置き場との動線計画を無理なくプランに落とし込むことを優先にしています。
距離が確保できればアプローチは、さまざまな方法でデザインできますが、今回はその距離がありませんでした。そこで、階段の配置の仕方、動線計画、造作を検討してできたのが今回のエクステリアになります。
玄関へのアプローチはガレージと駐輪場からの2方向になります。シンプルにコンクリートの打ちっ放しの階段に、蹴込を造作した陰影がきれいな階段になりました。機能性だけを考えた階段であれば小さくまとめれば十分ですが、あえて大きくゆったりと造作することで、敷地の条件を感じさせないゆったりとした階段となります。
メインのアプローチ階段は、タイルとコンクリートの組み合わせの階段。仕上げをタイルで纏めなかったところに実は意味があり、面白さや別の方向へのアプローチの存在を気づかせます。敷地条件が厳しい中、できるだけ安全に配慮してデザインしています。
玄関からまっすぐ道路に向かう単調さよりは、方向が変わることで道路に直面しない安全性と、アプローチとしての面白さが出来上がります。
そして、最近引き合いのある宅配ボックスはリクシルの宅配ボックスです。白のボックスと黒のフレームで構成されたシンプルな宅配ボックス型機能門柱です。
カーポートは三協アルミのスカイリード。屋根の構造が縦桟のみのスッキリとした印象が持ち味のカーポートです。三協アルミの熱線遮断ポリカは、他社に比べて性能が良く、通常クリアの熱線遮断を選ぶと、明るさと引き換えに熱線遮断率が減少します。しかし三協アルミの熱線の遮断率は各社を大幅にしのぐ数値です。本体の色は勿論ブラックで纏めています。
新築前に残っていた既存のブロック土留め。この仕上げについては、安易に塗装ではなくてアルミ複合板であるタカショーのエバーアートボードを使いました。既存ブロックにはクラックが発生しており、塗装を用いた場合は塗装の剥離の可能性があったため用いることを選択しませんでした。
エバーアートボードのRCを採用して、打ちっぱなしの表現にしています。天端にアルミ笠木を設置することで雨水の進入を防ぎ、長きにわたりブロックの老朽化を防いでいます。
もともとあった古いブロックの印象はなくなりました。
一方、お庭のほうです。ガレージの後方にあるお庭には、リビングからの出入りをスムーズにするタイルテラス、そして、人工芝の広場を設けました。タイルテラスのデザインは、機能性を考慮してのことです。階段は必要ですが、すべての吐き出し窓に用意する必要も実はありません。一部の出入りを可能にすればあとはベンチとしても腰掛けることができるように、機能を2分しています。向かって左側は階段には高いですが、腰掛けや物を置くには最適の高さになっています。こうすることで、人工芝のスペースを極力広く確保することができました。
立水栓にはちょっとした工夫を凝らしています。通常の立水栓であれば受け皿になる樹脂製の水栓パンが備わりますが、水を溜めることが日常ほどんどないのが実情なので、パンは設けずにタイルだけで排水勾配をとって、タイルテラスの上ができるだけ広くとれるようにしました。