GREENと暮らすロースタイルガーデンエクステリア

WorksGREENと暮らすロースタイルガーデンエクステリア

神戸市 垂水区 神陵台 K様邸

<お客様との出会い>

弊社のホームページからご依頼いただきました。積水ハウスでのご新築であり、外構部分とお庭のデザインをご要望。芝生のあるお庭、緑のある暮らし、雑木のお庭、ウッドデッキをご依頼でした。そして、玄関の中から見える坪庭の植栽。沢山のこだわりをご夫婦で共有されており、打ち合わせにも力が入りました。

こちらからのご提案は、エクステリアのファサード部分(門回り)はシンプルモダンであり、かつロースタイルで楽しむお庭。コンセプトはGREENと暮らすロースタイルガーデンエクステリアとしています。

ロースタイルとは、最近のアウトドアブームにおいても、テーブルや椅子のロースタイル化が進んでおり、より安定感や動きやすさを加味したアイテムが人気です。今回はそれらのアイテムも勿論なのですが、プライベートなお庭をロースタイルで楽しむことによって、お向かいや周囲の目線を極力感じにくくするデザインをご提案しました。

 

 

道路との高低差とお庭の広さ、お庭での楽しみ方に基づいた人の配置を考慮して、道路側に備えた塀による目隠しの高さを決定しています。目隠しは高ければ高いほど見られる心配を無くしてくれますが、比例してコストは上がっていきます。であればお施主様に必要な高さに基づてい設定し、無駄を無くすことに配慮しています。

道路の高低差は1mあります。そのうえにH1.2mの塀を立てると道路からば2.2mの高さの壁になります。あとは向いのお宅に2階からの目線にたいしてどのような工夫をするか。向かいの2階の目線をかくそうとすれば現実的ではない塀の高さになります。

そこで、タープ(日よけ)による目隠しを、必要な時に設置できるように植栽の配置も考えました。

バルコニーから、道路側の高木に向かって日よけをとりつけて、高木の幹にロープをくくれば日よけができます。また目隠しの角度を急にし、日よけのロープは芝生の上にペグ(杭)で固定すれば、向いの2階からの目線はカットできます。アイデア次第でプライベート空間を作り出すことができます。

ウッドデッキは、イペ材を使用した天然のウッドデッキ。宅内から段差を極力減らして外にでることができます。イペ材は非常に丈夫な材質で20年程度、無塗装でも腐らない優れた材料です。座り心地も人工のものよりは肌触りが良いのでお勧めです。お庭へのステップは大判の石材で沓脱石の役目をはたしています。

芝生のお庭はやや高低差を持たせて起伏を作っています。デッキ側からの眺めを良くするためであり、芝生は水が溜まること嫌うので排水を良くするためです。水下には暗渠排水を設置して、水が溜まらないようにしています。当該地は粘土質で道路よりは高低差が高いものの水が溜まりやすい土質だったので、客土(土を盛る)することで水の滞留を解消しています。

一方、ファサードにおいては、極力シンプルにまとめています。しかし、階段には目を引く素材を用いました。もともと施工済みの擁壁がありましたが、アプローチの開口が1.2mしかありませんでした。この階段をできるだけ印象付ける階段にするために、大判石材を選んだのと、手前に少し引っ張りだしてボリュームを出しています。

ガレージはできるだけ車の台数を確保するご要望であり、前面コンクリートを施しましたが、目地の取り方を工夫してアプローチの存在感を出しています。勿論植栽も欠かさずにツツジの生垣がアプローチに沿って色を添えてくれます。

門柱には特に気を使っています。弊社工場にて製造したオリジナルのアイアン門柱です。必要なものを残してそれ以外は取り除いた極シンプルなデザインです。

画像では表札を消していますが、この表札がポイントになっています。夜にはアップライトで表札だけが、浮かび上がるようになります。

一方ガレージであり、お庭側に面する範囲は、塀を作らずに、植栽を厚めに施して中の雰囲気を外からも眺められるようにしています。この植栽が無ければ、ただのあけっぴろげな状態ですが、植栽があることで、内側では落ち着いた空間になり、外からはおしゃれな植栽を鑑賞できます。

この中で目を引くアイアンの手すり。これも弊社工場で製造したアイアンの手すりです。特別工夫されたデザインではありませんが、植栽の中に存在して、これらを繋ぎ合わせるために取り入れました。日々生長をし形を変える植物の中に、動かない直線のラインを取り入れることで、スッキリと引き締まった印象を与えてくれます。枠からはみ出す植物には、どこか勢いや動きを感じさせてくれるのも、この手すりがあるからです。

そして、どうしても紹介したい坪庭がこちらです。玄関の中から見える場所に坪庭を作庭しました。植栽はお施主様と一緒に完成させました。

植え込みをしながら、使っている植物の性質をレクチャーしています。私自身もそうですが、手掛けた空間には愛着が湧くもので、このご夫婦には是非一緒に作業をしてほしいという思いがあり、お施主様もやってみたいということで実現しました。

コケ貼りも初めてということでしたが、大事に大事に植えていただけました。気持ちを込めて植えつけておられた印象です。その坪庭の1年後の姿が次の写真です。

苔むすというのはこういうことを言うというくらい、石にもまとわりつくように育っています。今回のコケはハイゴケを使っています。

ハイゴケは乾燥に強いコケとして砂ゴケと一緒に紹介され、屋上庭園や乾燥する場所で使えるコケとして認知度があるコケですが、じつは日陰で湿度が高い場所のほうがきれいに育ちます。乾燥にも耐えるのですが、耐えてるだけで心地よく育っているわけではありません。

湿度を確保するには、分譲地のような人が暮らす場所では結構難しいことです。人の手で灌水しながら湿度を加えていかなくてはなりません。適した環境として選ぶならば、建物の北側や東側、直射日光が2~3時間までであとは日陰になるような場所がいいかと思います。この場所は、建物の東側で、隣の家も接近しているので、午前中のわずかな時間しか日が差さない場所になります。風の抜け具合や日当たり、あとはお施主様の愛情が加わって、これだけ綺麗に育っているのだと思います。

地被類のフッキソウやキチジョウソウは地下茎により横へ増えていきます。この横に走るのを日ごろのお手入れで、取り除いていくことも大切です。もしこのお手入れがなされていなければ、大きくなった地被類の陰に隠れてしまい、コケの緑色が失われてしまったかもしれません。または込み合いすぎて、見た目もスッキリしないでしょう。日ごろのお手入れがあるか無いかは、見ればわかるものです。

 

玄関のすぐ横のスペースは、芝生のお庭とはまた違った植物が育つ、坪庭。この石畳をあるくだけで、季節感を感じることができます。またこのお宅へお越しになられた方にも、お出迎えの植栽として今後も育ってくれることを願っています。

これからもどうぞ長いお付き合いをお願いいたします。

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