このブログは、私が講師をさせていただいている明石市立あかねヶ丘学園 景観園芸コースの授業「花壇デザインの実際」の授業を題材としています。
生徒さんがデザインして選んだ苗を種から育てて、植えられるその日まで、どう育っていくのかをレポートするブログです。
学年が変わる時期の関係上、生徒さんにはデザインを、苗づくりは私が担当しています。折角なのでその行方を生徒さんたちと共有する目的で開設したのではありますが、どたでもご覧いただけますので興味がありましたら是非ご一読ください。
同じblogを定期的に更新しています。読み進めていくと過去の記事が続いていきます。日付が明記してされています。
それではどうぞ!
<6月5日>
種を撒いてから5月28日の花壇への定植にむけて育ててきた苗。コロナウィルスのおかげで実現できなかった花壇への定植を、私の会社の敷地の一部の花壇へ植え付けることにしました。
いくつかの実験!?とまでは大袈裟ですが生育の比較を検証しながらこれまで実況してきましたが、ようやく地面に植え付けてあげることができます。
まずは土壌改良から始めましょう。
まず土壌改良に用意するものを紹介します。
①肥料(元肥)・・・植えつける前に施すので元肥といいます。肥料はいろいろありますが、わかりやすくするため一つだけ紹介します。「マグァンプK 中粒」これを元肥として施します。おおよそm2あたり200~250gを施してください。今回の花壇は1m2程度です。
この肥料は非常に優れている反面、安くはないので200g使います。
優れている理由は、施肥初期に表面の肥料分が流れ出し、必要な肥料分を植物に供給します。それ以降は、植物の根から発生する根酸という物質に反応して溶け出すという特性があり、必要な分を長期間にわたって供給する肥料です。
またリン酸が多く含まれているので、お花を咲かせたい花壇にとっては、花をたくさん咲かせる効果をもつリン酸が多い肥料が適しています。
過施肥による失敗が少ないので是非お勧めしたい肥料です。
②バーク堆肥・・・土壌をフカフカにするための改良剤です。堆肥と書いていますが、肥料というほど、肥料分は含まれていません。土壌改良剤にはバーク堆肥のほかにメジャーなのは腐葉土、牛糞堆肥などありますが、費用が安く済み、効果もあるので、バーク堆肥をお勧めします。ホームセンターで40L 袋のものが400円程度で手に入ります。
1m2あたり2~3キロ程度(40L は16kg程度)を土壌に混ぜ込みます。
この土壌改良剤の効果は、混ぜ込むことで土壌内の微生物の餌となり、土壌微生物や小動物が活発に活動することになります。この活動により土壌はやせた土から肥えた土へと変わっていくのです。詳しくはまた別の機会にしますが、赤い土が黒い土(保肥力のない土➔保肥力のある土)へと変わっていく手助けをしてくれる土壌改良剤です。
③有機石灰(もしくは苦土石灰)・・・酸性の土壌を中性に近づけるためにつかいます。
今回は使いませんでしたが、微量要素を土壌に施用するためにも用います。過度に使うと、土壌がアルカリ化するため毎回施用することを必ずしも推奨しません。多くの1年草の適正pHは5.5~5.8程度です。通常の土壌であればおおよそこの範囲にあります。もう少し突っ込んで勉強したい場合は、pH測定器を購入して調べてみましょう。
もし、花壇の草花の生育が思わしくないときに、可能性の一つとしてpHを調べることもあります。
もう少し土壌改良に慣れてきたときに、pH測定という検査をしたうえで、適正pHを理解して使ってみてもいいでしょう。今回は割愛します。
肥料を計ります。1m2あたり200gを計って、土壌に投入します。肥料は多すぎると植物は枯れますので、必ず計ってから与えてください。慣れてくればだいたいこのくらいの量がわかってきますが、それまではきっちり計りを使ってください。
この花壇は何回も草花を繰り返し育てています。そうすると土壌には様々な有害害虫が存在します。ヨトウムシや、根きり虫など。そのために事前に殺虫剤を混ぜ込みました。
さて、元肥、バーク堆肥を混ぜ込んで攪拌していくわけですが、よく混ぜますというのは当たり前ですが、混ぜる深さについて解説します。
深かければ深いほど良いです。でも土を耕す作業というのはかなり重労働です。女性や高齢の方には難しい作業に値するかもしれません。目安として最低20㎝を耕してください。スコップの掘る部分くらいの深さです。もし余力があれば30cmを目指しましょう。これだけ改良できれば言うことはありません。でも結構しんどいですよ。
混ざり方にムラがあると、根の張りにもムラがでます。勿論、植物の根も生き物です。楽に根を伸ばせる方へ伸びていきます。ムラがあればそれだけ、根の張りにもムラが出ます。
土壌改良が終われば、苗を植え付けていきます。背の高い花が奥になるように植え付けています。
25㎝~30㎝間隔で植え付けていきます。20㎝間隔だと混みやすいし、30㎝間隔だと植え付けたすぐが、寂しいので間をとって25㎝にしています。だいたいの1年草は、育てば30㎝程度の株張にはなります。
植えつけるときの注意点は、ポットの土の高さと花壇の土の高さが同じになるように植え付けることです。浅すぎず深すぎずが失敗のない植え方です。植え付けたとき、根と土が密着するようにしっかり押さえてあげましょう。
そしてお水やりです。タップり与えてくださいね。1m2程度でも最低1分。私は3分ほどしみ込み加減をみながら繰り返し灌水しました。お水やりは基本的に与える量は同じです。たっぷり上げてください。あとは間隔をどれくらいあけるかの調整になります。
お水やりについてのBlogを書いています。
よく週にどれくらい上げたらいいですか?毎日あげたらいいですか?という質問がありますが、明確な答えが「乾いていたらあげる、乾いてなければ与えない」が鉄則です。
これ以降、この花壇のお花の生長具合を実況していきますね。灌水、花がらつみ、追肥、ピンチ(摘芯)、支柱たてなども方法を解説していきたいと思います!
<6月1日>
皆様こんにちは!今日も、苗の生育を追っかけてみましょう。
まずはサルビア ファリナセアを見てみましょう。
最初の画像は、育苗初期(発芽~鉢上げまで)に液肥を与えなかった苗。苗Aと呼びましょう。
次いで、週に一回液肥を与えた苗です。苗Bと呼びましょう。
まず、色が違いますね。鉢上げをしてからは、同じ条件で育ててきましたが、葉っぱの色が違います。これは肥料の効き具合の違いといってもいいと思います。苗の全体の様子を見てみると。。。。
最初が苗A、次いで苗Bです。根っこの様子をみても明らかに違いますね。育苗初期から肥料を与えてきたのとそうでないのでは違いが出ています。根っこの発達がいい結果、地上部の生育も健全に育っています。
育苗については、育苗初期(発芽から1週間後)の週一回の液肥は有効だということがわかりますね。
液肥を与えなくても、そこそこの苗は育てることができているので、必ずではありませんが与えないよりは与えたほうがいいということが言えると思います。根っこの発達が優れているので、この後花壇に定植した以降も、おそらく丈夫に育ってくれると想像できます。
次は、マリーゴールドです。向かって右の2列は、花芽を取って育ててきました。ちょっとわかりにくいですが、花芽を取らなかったものよりも株自体はしっかりしています。
実は失敗がありまして、路地に出した瞬間、ナメクジに食害されてしまい若干ダメージを食らっています。マリーゴールドはナメクジに気を付けましょう。ナメクジはマリーゴールドが大好きです。
h育苗期は、花を咲かせるよりも、株を充実させるほうが良いと思いますよ。花芽をわざと摘んだのは、花に栄養をいかせるよりも体を作るほうへ栄養を回したということになります。
アゲラタムです。写真はアロハホワイトという品種です。向かって右側の1列はピンチ(摘芯)したもの。左側はそのまま育てたものです。違いは、株の横張りと、花芽の有無です。左側はいち早く花が咲きそうです。一方、右側は花芽がついていません。その代わり低く横張りがでた苗になっています。
もう少し拡大してみましょう。ピンチ(摘芯)した分、花芽が遅れていますが、株は低く横に張って育っています。脇芽がより多くついているので、このままそれぞれに花芽がつくと、花のボリュームは増すでしょう。
ピンチ(摘芯)は脇芽を増やす効果があります。一方では花の付くタイミングが後ろにずれるということも覚えておきましょう。当たり前のことといえばそうなんですが。。。。
次回は、花壇に定植してみます!!!!では次回お会いしましょう。
<5月21日>
鉢上げから10日ほどたちました。生育は順調です。1週間経過してからバーディーラージ(粒肥)を3~4粒ポットに施肥しています。
まずはアゲラタムから見ていきましょう。2枚の写真がありますがどちらも同じトレーです。違いがあるのですがわかりますか?
上から1節目をピンチしている苗があると思います。なぜそうするかというと、苗のボリュームを出すためにピンチ(摘芯)して脇芽をださせることをすることがあります。またアゲラタムの写真をみると脇芽が出ずに上へと伸びていく苗がこのままいけばどう育つのかも比べるために、半分の苗をピンチしました。この違いが最終的な苗の仕上がりにどのように影響するかを見ていきましょう。
次はマリーゴールドです。鉢上げが遅れてしまったので、プラグトレーの時にすでに花芽を付けてしまいました。こちらも2枚の写真がありますが、どちらも同じトレーです。違いが判りますか?
花芽を取ってしまったものとそうでないものが2枚目に写っています。花芽がついてしまうと、株の大きくなる栄養が花にも奪われます。
現段階では小さい体を大きくするために花芽に栄養が行かないように取ってしまったのです。これもこの先にどのように差が出るのかを追っかけてみましょう。
これはサルビア ファリナセア。2トレーは別のものです。最初の写真がプラグトレーで育苗している間に液肥を与えなかったもの。2枚目の写真が液肥を週1回与えてきたものです。明らかに大きさに差が出てますね。
鉢上げして1週間で粒肥を置き肥しています。その条件はおなじなので、ここからの差というのは、初期生育での液肥の効果をみるためのものです。
追いつくのか追い付かないのか、根っこの生育の様子はどうなるのかを追っかけていきましょう。
最後にジニア リネアリス。これは特には追っかけません。セルトレーに種を2~3粒撒きました。穴によっては1苗しか発芽しなかったものもあれば、2から3粒発芽してしまったものもあります。間引かずにそのまま育ててますので、1ポットに苗の本数が違うのですが、これがこのあとどう育つのかを追っかけてみましょう。
おっかけることが沢山ありますが、植物の生育を観察するのはとても大切なことなので、是非皆様にも知ってもらいたいです。
それでは今日はこの辺で。
<5月12日>
予定よりも2週間おくれで鉢上げ作業を実施しました。
まずこれはアゲラタムです。たくさんではないですが、鉢上げしました。鉢上げを持ち越したものの、苗の状態は良くてこのまま大きくなってくれそうです。白のアゲラタムのほうが生育がいいですね。
続きまして、ジニア リネアリス。こちらも苗の状態は悪くなってはいません。ジニアは育った後の姿もブッシュ状で込み合うので、種を複数撒いたのちも間引かず2~3苗が共存しています。このまま大きくしていきます。1苗と3苗の状態も今後どう育つか見ていきましょうね。
これはマリーゴールドです。マリーゴールドは播種から20~25日で鉢上げまでできるお花です。他の花よりも少し早く育つので3週間も遅れてプラグトレーにいたことで、ちょっと具合が悪くなってしまっています。
何がというともう花芽がついてしまっています。
植物はまずは根を充実させて、体を大きくして、花を咲かせます。この順序が不十分なままに花をつかせてしまうと体を大きくする養分を花に取られてしまうので、幾分体が大きくなるスピードが緩慢になります。
ですので、鉢上げのタイミングで花芽をとってしまうほうがいいと思います。今は花芽をとっていません。この後花芽をとった苗と取らなかった苗で生長が違うかを見てみても面白いですね。
最後にサルビア ファリナセアです。これは液肥の実験をしていた花です。
週一回ハイポネックス液肥を与えたものと、専門家が使うリン酸、カリが多めの液肥を与えたもの。そして無施肥のものと3つの対象にわけて育ててきました。
鉢上げした後は、同じ条件で栽培していきます。最後にどれが良く育ったかを比較して、初期の施肥の大切さを見てもらおうと思います。
あかねヶ丘の学生の皆さんは、9月まで授業が無くなってしまいます。せめてといいますか、できることが私にはありましたので、是非このブログを思い出したころにチェックしてみてください。私も仕事の合間ですが、できる限り実況していきたいと思います。
もしかしたら途中で、管理が行き届かなくて悪くなってくるかもしれません(すみません、日々本業がありますので)。
でも悪くなった時は、どうして悪くなったかを実況したいと思います。
そうすると失敗した良い例を見ることができますので、皆様の今後の何かの助けになると思います。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
<5月3日>
blogの更新でございます。今、コロナウィルスによりいろいろと制限が出てきている日常ですが、いかがお過ごしでしょうか?
なんとですね、このブログの目的であります、苗づくりから花壇への定植、そして管理へと続くドキュメンタリーblogの予定が、コロナウィルスのおかげで、授業ができなくなりそうな状況です。ということで、本来であれば4月下旬には鉢上げしている予定でしたが今現在も鉢上げを保留にしています。鉢上げてしまっても植える場所がなければ廃棄になってしまいますので保留にしています。
このままblogを閉じてしまってもいいのですがそしたらこれまでのブログも無駄になってしまう!ということで独自に進めてまいります。
続いてアゲラタム。右がアロハブルー、左がアロハホワイト。ブルーとホワイトで生育が違いますね。色によってやや優劣があるのがわかります。アゲラタムは途中で水切れを起こさせてしまったのでアロハブルーはとても生育が悪いです。定植はできますが、本来ならアロハホワイトくらいにまでは育てたいところです。
そして大きい苗のほうが、ハイポネックス液肥を施肥したトレーです。次のトレーは無施肥のものです。これだけ違いが出てしまうのです。液肥は与えたほうがいいということがわかりますね。今回はメトロミックス350を使いました。別の培土の場合は元肥条件も変わりますので、必ずしもというわけでありませんからご注意ください。与えたほうがいいと思いますが、過施肥ということになる可能性があるということです。
では根っこの様子はどうでしょう。写真はさらに日が進んで5月3日の様子です。
各トレーの中で一番大きなものを9つずつピックアップしています。根っこの様子を見ても差が出ていますね。
施肥するとしないで明らかすぎる内容になりました。施肥を行ったほうはどちらも根の張りが良いですが、写真ではわかりにくいですがピータース液肥のほうが根が太いのがお分かりいただけますか?目視によるものは人により見え方やとらえ方が違うので、明確ではないです。
正確に有意差を出そうと思えば、土の部分を洗い流して、根の部分だけにして、さらに乾燥させて重量を計ると、本来の有意差が得られると思います。そこまではしません。。。。
初期生育にリン酸を与えると根の生育が促進されて、地上部も促進されるということで施肥したのですが、ピータース液肥はカリの分量も多いので、リン酸の施肥がということを実証したわけではないのでご了承ください。
ハイポネックス液肥は花を咲かせるためをうたい文句にしている液肥ですが、十分育苗にも使えそうですね。
さて今後ですが、コロナのおかげで花壇に定植することはほぼ不可能な状況になってきました。かといってこれまで育ててきた苗たちを捨てるわけにもいきません。
プラグ苗のいくらかを鉢上げしてその後の生育、そして地植えにしたときにどう育って、どう管理していけばいいかを引き続き別の場所で実践して皆様にお届けしたいと思います。
なので、どうかこれからもたまーにこのブログをチェックしてみてくださいね。
早くコロナウィルスの終焉を願いつつ、皆様もどうか健康に過ごされますように祈念して今回のお話はおしまいになります。それではまた!
<4月20日>
皆さま、種をまいてからおよそ3週間過ぎました。先回のサルビアの生育不良をお伝えした件から、その後どう育ったのでしょうか。気になるところなのでまずはそちらから。
これは、サルビア ファリナセア ビクトリアクィーンです。ちなみに液肥無しのトレーです。その後生育も進みまして、本葉が大きくなってきています。ただやはり最初に生育不良が出てからダメージのある苗の生長度はゆっくりというかやはり健全ではありません。でも徐々には回復しているように思います。「苗づくり半作」という言葉があります。要するに定植するまでの育て方次第でその後の生育を左右するくらい、この時期は大切であり取り返すことのできない時間ということです。
良い苗を手に入れて植え付けることができたら、その後の開花はすこぶる良し。しかし悪い苗を手に入れて植え付けたら、その後の開花はそこそこです。
今回の症状についてはこのまま経過観察をお伝えして、最終的にどうなるのかまでを見届けましょう。。。なかなかそんな様子を見ることもできないと思いますから。
次に、左の写真がハイポネックス液肥を与えているトレー。右が、ピータース液肥を与えているトレーです。それぞれ育っています。一見してピータース液肥のほうが育っているようにも思えますが、まだこの時点では判断できませんのでしばらく様子見です。
さて、こちらのほうが要注意です。これはサルビア ファリナセ フェアリークィーンです。紫と白のバイカラーの品種です。多分、ビクトリアブルーよりもデリケートなんでしょう。症状がひどく出てます。発芽してからもビクトリアクィーンに比べては生育が遅かったり、小さい苗がたくさんありました。種1粒の値段もビクトリアクィーンよりも高いので、それだけ増やすのに手間がかかる品種ということでしょう。
かなり症状が重いですね。本葉がきれいに展開しているものが少ない。。。さてどう育つのか。。。。
こういった時は施肥をやめて、日差しも遮光カーテンなどで少し柔らかくしてあげて、葉っぱの蒸散をおさえてあげて様子を見ていくことにします。弱ったからだにバンバン食べ物を与えないということと、根が弱っているのと、葉っぱも弱っているので、日差しを弱めてあげることでストレスを軽くしてあげるという理由です。
これは、アゲラタムです。向かって右がブルー、左がホワイトです。ブルーの様子がホワイトに比べて悪いですね。生育の差を感じます。色が違うだけでもお花は生育に差が出ることがあります。そう言った差だと思いますが、いまいちうまくいっているとは言えません。ホワイトのほうはおおむね順調です。
が!2枚目の写真をご覧ください。トレー手前のほうの苗が小さくなっています。これは「水切れ」によってしおれたからです。すみません。私も別の仕事で方々を飛び回っています。うっかり水やりチェックを怠ったために、水が切れてしまいました。トレーの外側は特に乾きやすいので、水切れになりやすいです。皆様も注意しましょう!!!すみません。
続いて、ジニア リネアリスです。こちらは順調ですね。特に問題なく育っています。複数の種が一つのセルにありますが、ジニアは間引かずにこのまま育てて、このまま移植します。
コロナウィルスが心配で、皆様の様子も気になるところですが、なるべくステイホームで手洗いうがいをちゃんとしましょう!!!!!
それでは次回をお楽しみに。多分、鉢上げの時の更新になると思います!
<4月14日>
皆さま、お元気ですか?しばらく投稿できていませんでしたがすみません。投稿したのは4月22日ですが、写真は4月14日なので日付が違っております。
実は、お知らせしたいことが。写真をご覧ください。これはサルビア ファリナセアです。展開した本葉が少し黄色く委縮してしまっているのです。原因ははっきりとは言えないのですが、おそらく低温にあたって根が傷み、結果葉っぱに障害が出始めたのではないかと思います。
この症状が出る前に、天気が悪くなり、しかもすごく温度が下がった日が2~3日ありました。毎日温度を計測しておりませんでしたが、感覚には夜には0度近くまで下がっていたと思います。
この温度低下以降にでた症状です。
一報一か月前に撒いた、同じ種から作った苗の様子です。
特に問題が見られません。種まきをしたトレーや土は新しいものですし、病気でもないように思います。ここまで大きく育っていると寒さに強いのだと思います。
また3つに分けて肥培管理をしておりますが(4月9日付)、肥料を与えていないトレーでも同じようになっているから、肥料あたりしたのも違うと思われます。
これが肥料無しのトレーですが、同じように症状が出てしまっているのです。
正直、ちょっと焦ったというかしまった!という感じでした。発芽させて以降、今年はあったかい日が続きました。できるだけ一般家庭でもできるような管理で行こうと思っていたので、加温せずに管理していました。
さて、この後どう育つのでしょう?心配ですが温度も上がってきているので、見守っていきたいと思います。施肥はいったんストップしたほうが良さそうなので回復するまでは様子を見ることにしましょう。
続きまして、同じキク科の一年草のアゲラタムです。ジニアとは同じキク科なので最終的な様子は明らかに違うものの、発芽してすぐのうちはほとんど同じような出で立ちです。こちらも発芽よく出ています。好光性の種子なので覆土はごく薄く。厚くすると発芽しにくくなるので要注意です。
先回の記事で書きましたが、今年のマリーゴールドのボナンザイエロー、ボナンザオレンジは種が良くなかったので、違う品種を撒きなおしました。本来であればこれくらいしっかり発芽します。ボーイ系のイエローとオレンジの2色を播種しました。
マリーゴールドはほかのものに比べて生育が早いので5日の度であれば遅く撒いても、すぐに追いついてきます。
さて今年の種まきでは、サルビア ファリナセアを使って初期の施肥の違いを検証してみたいと思います。
使う品種は サルビア ファリナセア ビクトリアブルー。 3つのトレーは100穴のセルに分かれていてそれぞれ同じ条件で播種したサルビアの苗があります。これらの発芽後1週間から施肥をスタートさせます。
初期成育にリン酸を効かせてあげると、根部の細胞分裂が活発になり、結果根が育ち地上部がしっかり育つといわれています。その効果の有るなしを検証してみたいと思います。
使う液肥は、手に入りやすいハイポネックス液肥。N:P:K=6:10:5とリン酸が高め。本来は開花促進としてリン酸が高く設定されており、お花をたくさん咲かせたいときに使う液肥です。これを1000倍の希釈で週に一回与えます。
もう一つは、プロが使うピータース液肥。N:P:K=10:30:20。開花促進用として配合された肥料です。ピータース液肥には育苗用としてN:P:K=9:45:15という肥料もありますが、今回は開花促進用を使いました。いずれにせよリン酸分が多めの設定になっています。同じく、週に一回1000倍の希釈で与えていきます。
最後は、液肥は与えず灌水のみのトレーです。
これら3つのトレーの生育の違いをこれから追っかけていきたいと思います!!!!
最後に、同じサルビア ファリナセアの中でビクトリアブルーではなく、フェアリークィーンという品種を今回播種していますが、こちらはビクトリアブルーとは違って少し発芽も遅く小ぶりです。種の包装も袋の中にさらに小袋に分けられており、種の1粒の値段も高いので、幾分弱いのか種が取れにくいのでしょう。
こちらも、これからどう育っていくか楽しみですね。
非常事態宣言が発令されて、世の中大変な事態ではありますが、植物はコロナウィルスの影響は受けておりませんので、コロナに負けずに私も引き続き実況を続けていきたいと思います。また1週間くらいたった時に記事をアップします。おたのしみにー!
<3月31日>
とうとう3月も今日で終わりです。コロナウィルスの動向が日々気になりますが、苗は元気に育っています。
その後の発芽状況をお知らせします。
3月29日にサルビア ファリナセア ジニアがそれぞれ発芽し始めました。発芽率も良くほっとしています。だいたい5日ほどで発芽したことになります。最低温度は15度程度をキープしています。日中はハウス内なので晴れの日は35度くらいまで上がります。できれば30度以下程度に保てれば生育適温に近づくので、より良いと思います。
画像はサルビア ファリナセア。 シソ科の子葉は写真のような双葉です。
この苗はジニア リネアリス。キク科の双葉はこのような双葉です。ジニアは一つの穴に2~3粒撒きました。ジニアは間引かずにこのまま育てますので、一つのポットに2~3苗が共存します。ジニアの場合は、一つポットに2苗あればボリュームがある苗を育てることができます。
サルビアやマリーゴールドなどは1苗に間引いて、しっかり育ててあげたほうが苗としての仕上がりのバランスも良く、混み合いすぎないでいいと思います。
一ポットに苗が複数あると、それぞれ栄養を分け合うので、一つの苗の生長量は小さくなりますよ。
さて、このまま様子を見るわけですが、だいたい発芽後1週間してから液肥を与えていきます。発芽していきなり液肥は必要ありません。種に含まれる栄養分でも十分生長できるからです。また与えずとも育ちますので必ず与える必要もありません。
初期成育にリン酸を多めに与えると、根系の発達に効果があるということが言われています。根系の発達が優れれば必然的に地上部の生育も良くなるので、初期成育にリン酸を与えるというわけです。
今回は、ちょっとした実験をやってみようと思います。
1週間に1回の液肥を与える場合、与えない場合の生長に差が出るのかどうかを検証してみたいと思います。それではまた次回をお楽しみに!4月5日ごろに更新します!
<3月28日>
発芽が始まりました。3月25日の播種から3日経って、まずはアゲラタムが発芽しました。ペレット種子と呼ばれる種子であるアゲラタムの種は、微小な種なので、発芽した苗ももちろん微小。お水やりには気を付けましょう。
ジョーロでいきなり上から水やりするよりは、霧吹きなどで丁寧に灌水するほうがいいです。ジョーロしかない場合は、水であふれたときに土が苗を押しつぶしてしまわないようにすればよいのですが、蓮口の穴が細かいものを使ったほうが良いでしょう。
もしくは、底面給水という方法があります。トレーに水をためて底穴から給水させる方法です。これが一番しっかり灌水できる方法です。
<3月26日>
種を3月25日に撒きました。コロナウィルスで来年度の授業もどうなるかわからない様子が続きますが、植物の生長は待ってはくれませんのでとりあえず種まきは実施しました。
種まきに使う資材は、プラグトレー(セルトレー)200穴と、土はメトロミックス350J種まき用を使います。
メトロミックスはプラグトレーに適した育苗培土です。プラグトレーにはどんな土を使ってもいいというわけではありません。細かく区切られた容器の中に、例えば草花の培養土などを入れてしまうと土の粒子の大きさが容器に合わず、透水性も保水性もが悪く、生育が良好に進みませんので、必ずプラグトレーに適した用土を使うようにしてください。
軽くなでるだけでいいのですが、こうしてあげると、表面の土の高さが下に下がり、種を撒く穴を開けなくてもその高さに種を置いてあげて、のちに覆土してあげればいいようになります。また、プラグトレーのそれぞれの穴のなかに土をしっかり充填できるので、一石二鳥です。
播種する草花を紹介します。
まずは、アゲラタム。 F1アロハブルーと F1アロハホワイトの2色です。F1って何のことかご存じですか?雑種第一代という言葉で表されますが、かなり省略して簡単に説明すると、ある優れた性質を混じらず持っている親通しを掛け合わせたときに、一世代に限りそれらの性質を安定して持つ個体を増やすことができる品種を言います。(かなりはしょってます。)
一世代に限りというところと安定してという点がミソです。このF1品種を育てて種を撒いたとしても、次の世代はバラけてしまうため同じ花を手に入れることができません。
また安定することで、発芽が揃い、同じ時期に種を撒き、同じタイミングで開花を揃えることができ、なおかつ魅力的な特性をすべてが持つ苗を作ることができるのです。生産側の都合ではありますが、これによりロスを限りなく少なくできるということが実現できるのです。
アゲラタムはキク科の一年草。キク科ですが菊のような花ではありません。カッコウアザミとも呼ばれ、その花はアザミのようにも見えます。アゲラタムは好光性種子であり、発芽には光が必要となる点が注意点。覆土を厚くしないように気を付けてください。通常、種の3倍という覆土厚さになりますが、乾かさない程度のわずかな覆土にしましょう。ぬれた新聞紙をかぶせることも方法ですが、発芽した瞬間にはずすことが必要です。でなければもやしのようにヒョロヒョロになってしまいます。
このように微小の種の植物や、種の形がいびつなものには、ペレット種子という、種子に被膜をかぶせた種子が用意されています。これは種を撒く時に効率よく撒けるように加工したものです。丸く成型されているのですが水を吸うと溶けてしまう被膜です。
続きまして、ジニア リネアリアス。同じくキク科の一年草です。百日草ともよばれ、開花期間が長い花壇苗に適した矮性種(草丈が低いコンパクト)になります。こちらはプチランドイエローとプチランドオレンジという品種です。
続いての選手は、サルビア ファリナセア。シソ科の一年草です。寒さに弱いですが、海側のほうであれば冬を越し、翌年も開花することがあり本来は多年草となります。花壇苗ではメジャーな植物で、青い(紫)花の代表になります。品種は濃い青が印象的なビクトリアブルーと白とブルーのバイカラーであるフェアリークィーンの2色を育てます。種袋の写真を撮るのを忘れてしまってすみません。
最後はマリーゴールドです。歌の歌詞にも出てくるよく知られた一年草ですね。今回はボナンザイエローとボナンザオレンジという品種を2色撒く予定だったのですが、、、、が、ということは何かあったということになります。
実は1カ月前にこの種を撒いたのですが、今年の種の質がどうもよくありませんでした。まず種が小さい、細いものが多かったので気になって撒いたのですが、案の定不揃いであり発芽率が悪い、または奇形(葉っぱが委縮)したものが多かったのです。事前に分かったので慌てて違う品種の種を手配しました。このブログを書いている頃はまだ手元に届いていません。あと数日で違う品種のイエローとオレンジが届きますので、届き次第播種しておきます。マリーゴールドはこれらの中でも早く生長するので1週間程度おくれても、追い付いてくれるので大丈夫です。
育苗温床の中で発芽を待ちます。
発芽には適した温度が必要です。。今回撒いた苗は一般的に15~20度が発芽適温になります。早春においてはこの温度は作ってあげないと発芽することができません。。
加温設備の作り方は以下のブログをご参考になさってください。
この育苗加温設備の力はというと、加温設備の外が、最低温度4度に対して、12度程度の保温力ということになります。夜間これくらいの温度が最低キープできれば発芽はおおよそ大丈夫です。ただし、夜は保温しますが、朝になると無からずビニールをとって換気をはからないとすぐに50度くらいまで上がってしまってせっかくの苗も枯れてしまうので、毎日、朝には換気、夕方には保温の作業が必要になります。(旅行などにはいけませんね)
ここまでして種まきをする必要はある方もおられれば、一方趣味の範疇では必要ありません。だいたいゴールデンウィーク頃になれば、加温せずとも発芽させることができます。この場合は苗を植えることができるようになるのは7月前後になってしまうので、促成栽培の意味というのが理解できるかと思います。
ちなみに、早春の種まきのブログをいかにご紹介しておきます。
さて次は発芽が揃った頃にでもblogアップしますね。だいたい今から1週間後くらいです。それではまた次回!
<2月24日>
授業では、明石市にある上ケ池公園にある2つの花壇をそれぞれ学生の皆さんが実際にデザインするという授業です。上ケ池公園については以下のURLからご覧いただけます。
https://www.city.akashi.lg.jp/tosei/kouen_ka/shisetsu/koen-sports/koen/001.html
学生さんの中からそれぞれ1点を投票で決め、次年度の花壇のデザイン決定しました。学生さんはこの授業を最後に次は2年生に進級されてしまいます。
このデザインを引き継ぐのは次の1年生になります。
1年生がこれらの花壇を植え付ける授業をするのは5月28日。それまでに苗を育てていきます。
この時の苗は購入するのではなくて、私が育苗することになりました。その模様を進級してしまって関われない生徒さんのために、共有できるような仕組みを考えました。それがこのブログになります。ブログを通じて育苗の様子、そして、自分立ちがデザインした花壇が出来上がるまでを日々追っかけていけるという企画です。勿論どなたでもご覧いただいて結構な内容です。
一つ目は横長の花壇。テーマは「ストライプ」とされました。文字通りストライプの模様を描いた花壇は、細く長い花壇の特徴を生かしたデザインになります。この花壇は、通路沿いにあり、どちら側からも見える位置に配置されているので、中心部に背の高い植物(サルビア ファリナセア)をもってきて、あとは低くなるように、マリーゴールドやアゲラタムを配置しています。スッキリとしたデザインで新しい1年生には管理のしやすさにおいても考慮されています。