神戸市某所の病院内に設置されたホスピタルガーデンの事例。
患者さんたちの日々の散歩のためのガーデン。既存の施設に挟まれた細長い空間。行き止まりの無い園路は、既存の建物ラインに沿ってその空間と調和するように計画しています。そして角が無いやさしい曲線を歩く意味は、歩く人の見る景色になり、心身共にやさしい時間を過ごすためにデザインしました。
園路の至る場所には座って過ごすベンチや寝ころべるウッドデッキや人工芝のスペースがあり、散歩の道中に歩くだけではないイベントを生んでくれます。座って眺める景色の中には、四季を彩る花木は草花が映り、彩だけではない香りの風が吹き、風にそよぐ草の葉の動きも楽しめます。
植物の葉にも着目した植栽計画の中には、たくさんの発見や刺激が生まれ、患者さん皆さんの健康の支えになるお庭になってほしいと願いを込めました。
やさしい曲線のアプローチ。交差する美しさ。中央部の築山は昇って降りることができ景色も変わる。
タカショーのパティオムーブ。天井のルーバーが可動することで日よけにもなり、屋根にもなる。
庭の中にところどころに設けられた座れる場所。歩いているだけでは気づかない景色も楽しめる。
フレームで枠ぐまれた中にベンチを配置。枠に納まったちょっと感じる安心感。平面の豊かな表情の中に高さの存在感が加わり、立体的な景色が生まれる。
デッキと人工芝のスペース。ごろんと寝ころびたくなる場所。人工芝には排水性を備えた柔らかいクッション材を使用。
園路のやさしいデザインと植物の色の重なりが景色として楽しめる。
この庭が曲線で構成されたのは、既存の施設の丸い部分に由来する。
やや傾斜のついた場所。散歩の中で高さの変わる場所。横移動と縦移動で景色の変化を楽しめる。一番やさしく見える場所。