「お客様との出会い」
同じ地域の弊社のお客様のご自宅をご覧になられてお問い合わせいただきました。先だってより数々の外構の専門店へプランをご依頼されていたそうですが、その中の一社として迎え入れていただきました。いくつものプランを見てこられただけあって打ち合わせは白熱したものとなりました。
今回、プランの肝となったのはアプローチの計画にあったと思います。お客様もアプローチのデザインを大変気に入っていただいてたと思います。
このご自宅は、奥さまの経営する美容院を併設しており、ご家族以外にもお客様の来店も見込まれていたので、お客様にも印象のいいエクステリアに仕上げる必要がありました。
建物外観の左側に広くとられた駐車場からの来客を招き入れるためのアプローチ。いかに魅力的なエントランスにするかを問われます。ただの通路としてのアプローチではなくて、方向転換、アイストップ、階段の登りおりなどの人の動きによる景色変化に特徴を持たせました。ほかにも植栽を楽しめたり、夕方からのライトアップもおしゃれなアプローチにイメージを膨らませました。
アプローチをすすむと、ポストやインターホンを備えた門柱が現れます。壁など景色を遮るものではない門柱により、景色に溶け込ませるようにしています。構造物は時にはその存在がマイナス要因になってしまうこともあります。できる限りアプローチの存在感と植栽の邪魔にならずに、しかし機能的にも存在させるようなものを使っています。(OnlyOneExteriorよりショーケース)
エクステリアの要素として「塀」がありますが、今回はお庭部分を囲うのみ配置されたRデザインの塀。なぜに直線にしなかったかというと、個人的にRのデザインが好みなのもありますが、外から見る角度が変わっても見映えがいいので採用しています。Rのデザインは一定の広い敷地でこそ効果的に映ります。小さなRのラインはその魅力が半減してしまうと思います。この広い敷地には是非採用したいデザインでした。たて格子のアクセントは奥さまのアイデア。玄関口の色に合わせたアルミ材を使っています。この場合、細すぎる格子ではその存在感が十分でなく、ブロックのR塀の厚みに負けない太さのものを使っています。
入り口は駐車場からがメインですが、正面からの入り口も確保しています。これは、外側の植栽帯へアクセスしやすくする意図もあります。通常、玄関に正対しないように入り口をもうけるのが由とされていますが、あえて正面に持ってきました。その潔さがスッキリしてこの家にマッチしていると思います。
左右を分断しているように見えるこの正面入り口ですが、芝生の曲線ラインを繋げることで、連続性を保っています。
お施主様の要望で、リビング前にはプライベートなお庭空間をとっています。特にあれこれと造作があるわけでもなく、600角の大型タイルでダイナミックなデッキと植栽でデザインしました。色とりどりの植栽にかこまれた空間は、道路側からも見えにくい空間となっており、家族のプライベートスペースでもあり、サロンのお客様への緑の景色でもあります。アプローチからはアイストップに黄色い葉色のカラーリーフプランツでアクセントおよびアイストップとなるように配慮しました。
今回のアプローチはサロン、玄関、お庭への別々の空間へ誘うものであり、リズミカルに空間を歩いていけるコンセプトをもとにデザインしています。
青空と山々の景色が広がり、緑の影が心地いい空間がお庭として出来上がりました。植栽を使って隠したいところを目隠しすることもできます。角柱の格子のあたりは、壁にするとアプローチに近づき過ぎて圧迫感を与えます。格子と植栽により優しく目隠しできているのがわかります。