『お客様との出会い』
お店の近くを通ってお知りになったとか。近隣のお客様で、お庭をリフォームしたいとのこと。ご要望は以下の通りでした。
①これまでは菜園を楽しんだり、花木などを植えてお庭を楽しんでいたが、草引きに追われる日々を解消したい。
②菜園を小さくしてもいいので、広いテラスが欲しい。そのために既存を解体しても良い。
③壁などは特に必要ない。できるだけ広く使いたい。
④日よけ(オーニング)が欲しい。
⑤子供たちの遊び場として、家族の交流の場としての庭にしたい。
以上が大まかなご要望でした。
こちらからのご提案として、菜園を小さくする上で、既存のブロック土留めを解体せずにプランをするようにしました。建物からの出入りを考えるとテラスの床面が建物のフロア高さに近いほうが、出入りがしやすい上、外のテラスの高さを上げれば、菜園の高さまでは上がってくることになります。これによって解体をしなくても済みます。
お庭と建物との出入りは、リビングと和室の2か所からになります。主に使う、眺めるのはリビングの前。リビングの前をできるだけ広く取り、和室の前は濡れ縁のようにステップを作り、サークル型のテラスを備えました。お庭全体を舗装で覆うことで除草の手間を省くのですが、全体がタイルのみの仕上げでは少し物足りなさが残ります。タイルテラスの角ばったデザインとは打って変わったサークルの優しいテラスとが共存しているお庭が、今回のデザインのポイントになります。メンテナンス軽減ということで天然芝ではなく人工芝を使っています。寝ころんだり、走ったり、タイルテラスよりも素材がやわらかいのでまた違った利用をできるのが良いところです。
メインのタイルテラスとサークルテラスをつなぐ役割が、ウッドデッキ調のタイルデッキになります。四角のタイルとは趣が違う、よりナチュラルな素材であり、メンテナンスが楽なのがこのタイルの売りです。この踊り場的デッキが、和室側とリビング側をつなぐ役目をしています。ちょうど中間地帯に煉瓦花壇を設けてシンボルツリーを植栽できるようにしています。今回は移植したハナミズキを植えています。新築当初から数年経過しているのですがあまり生長せず、花もつかないというご相談もあり、今回は掘り起こして移植しました。詳しくはブログのほうをご覧ください。掘り取りから移植までの経緯を書いています。
リビング前のよく目につく場所には、花壇となる植栽帯を設けました。宿根草と低木を使っています。植栽したばかりでボリュームがありませんが、大きくなってきたらそれぞれの葉が持つ特性が生かされた配植になります。アクセントカラーは黄色としています。黄色っぽい葉色や、斑の入った低木を使っています。ナワシログミ”ギルドエッジ” 斑入りヒメユズリハ フィリフェラオーレアなどです。既存のオウゴンマサキの生垣が黄色の空間を作っていましたので、その色あいに合わせています。他にもエキナセア、アストランチア、アガパンサスなどの宿根草もあります。右手にある中木はムクゲです。お子様のお名前が「あおい」ちゃんなので、アオイ科の花を選びました。
今回のリフォームでガラッと様変わりしたお庭。以前の様子よりも明るく爽やかな空間へとリフォームできました。タイルと人工芝。どちらも人工のものではありますが、清潔感という意味では、家の中から続く空間にとって、汚れにくい素材たちを使っています。お掃除も水洗い、たわし、ブラシ、掃除機などつかってお掃除が可能なので快適に使ていただけるのではないかと思います。