2020
3/31

花壇のデザインから育苗計画まで~みんなで共有しよう~あかねヶ丘学園

このブログは、私が講師をさせていただいている明石市立あかねヶ丘学園 景観園芸コースの授業「花壇デザインの実際」の授業を題材としています。

生徒さんがデザインして選んだ苗を種から育てて、植えられるその日まで、どう育っていくのかをレポートするブログです。

学年が変わる時期の関係上、生徒さんにはデザインを、苗づくりは私が担当しています。折角なのでその行方を生徒さんたちと共有する目的で開設したのではありますが、どたでもご覧いただけますので興味がありましたら是非ご一読ください。

同じblogを定期的に更新しています。読み進めていくと過去の記事が続いていきます。日付が明記してされています。

それではどうぞ!

<3月31日>

とうとう3月も今日で終わりです。コロナウィルスの動向が日々気になりますが、苗は元気に育っています。

その後の発芽状況をお知らせします。

3月29日にサルビア ファリナセア ジニアがそれぞれ発芽し始めました。発芽率も良くほっとしています。だいたい5日ほどで発芽したことになります。最低温度は15度程度をキープしています。日中はハウス内なので晴れの日は35度くらいまで上がります。できれば30度以下程度に保てれば生育適温に近づくので、より良いと思います。

画像はサルビア ファリナセア。 シソ科の子葉は写真のような双葉です。

この苗はジニア リネアリス。キク科の双葉はこのような双葉です。ジニアは一つの穴に2~3粒撒きました。ジニアは間引かずにこのまま育てますので、一つのポットに2~3苗が共存します。ジニアの場合は、一つポットに2苗あればボリュームがある苗を育てることができます。

サルビアやマリーゴールドなどは1苗に間引いて、しっかり育ててあげたほうが苗としての仕上がりのバランスも良く、混み合いすぎないでいいと思います。

一ポットに苗が複数あると、それぞれ栄養を分け合うので、一つの苗の生長量は小さくなりますよ。

さて、このまま様子を見るわけですが、だいたい発芽後1週間してから液肥を与えていきます。発芽していきなり液肥は必要ありません。種に含まれる栄養分でも十分生長できるからです。また与えずとも育ちますので必ず与える必要もありません。

初期成育にリン酸を多めに与えると、根系の発達に効果があるということが言われています。根系の発達が優れれば必然的に地上部の生育も良くなるので、初期成育にリン酸を与えるというわけです。

今回は、ちょっとした実験をやってみようと思います。

1週間に1回の液肥を与える場合、与えない場合の生長に差が出るのかどうかを検証してみたいと思います。それではまた次回をお楽しみに!4月5日ごろに更新します!

 

 

 

<3月28日>

発芽が始まりました。3月25日の播種から3日経って、まずはアゲラタムが発芽しました。ペレット種子と呼ばれる種子であるアゲラタムの種は、微小な種なので、発芽した苗ももちろん微小。お水やりには気を付けましょう。

ジョーロでいきなり上から水やりするよりは、霧吹きなどで丁寧に灌水するほうがいいです。ジョーロしかない場合は、水であふれたときに土が苗を押しつぶしてしまわないようにすればよいのですが、蓮口の穴が細かいものを使ったほうが良いでしょう。

もしくは、底面給水という方法があります。トレーに水をためて底穴から給水させる方法です。これが一番しっかり灌水できる方法です。

<3月26日>

種を3月25日に撒きました。コロナウィルスで来年度の授業もどうなるかわからない様子が続きますが、植物の生長は待ってはくれませんのでとりあえず種まきは実施しました。

種まきに使う資材は、プラグトレー(セルトレー)200穴と、土はメトロミックス350J種まき用を使います。

メトロミックスはプラグトレーに適した育苗培土です。プラグトレーにはどんな土を使ってもいいというわけではありません。細かく区切られた容器の中に、例えば草花の培養土などを入れてしまうと土の粒子の大きさが容器に合わず、透水性も保水性もが悪く、生育が良好に進みませんので、必ずプラグトレーに適した用土を使うようにしてください。

 

用土の袋を開けて、もしダマがあれば必ずつぶしてくださいね。

トレーに用土を入れる際に、チリトリを使うのも便利です。平らにならすこともできますしね。トレーのサイズに合ったものが多いと思いますのでお勧めです。

綺麗に平らにならしたあとは、次のように、空のプラグトレーを一枚上にのせます。

軽くなでるだけでいいのですが、こうしてあげると、表面の土の高さが下に下がり、種を撒く穴を開けなくてもその高さに種を置いてあげて、のちに覆土してあげればいいようになります。また、プラグトレーのそれぞれの穴のなかに土をしっかり充填できるので、一石二鳥です。

このように土が凹んだようになります。中には極端に凹みすぎてしまうところも出てくるようであれば、後から個別に土を足してあげてください。

そしてしっかりと灌水を行います。プクプクと気泡が上がってきて、土の表面に穴が開いたようになりますので、気泡の数が少なくなるまで3~4回ほど、灌水してはしみ込ませて、また灌水してを繰り返します。

播種する草花を紹介します。

まずは、アゲラタム。 F1アロハブルーと F1アロハホワイトの2色です。F1って何のことかご存じですか?雑種第一代という言葉で表されますが、かなり省略して簡単に説明すると、ある優れた性質を混じらず持っている親通しを掛け合わせたときに、一世代に限りそれらの性質を安定して持つ個体を増やすことができる品種を言います。(かなりはしょってます。)

一世代に限りというところと安定してという点がミソです。このF1品種を育てて種を撒いたとしても、次の世代はバラけてしまうため同じ花を手に入れることができません。

また安定することで、発芽が揃い、同じ時期に種を撒き、同じタイミングで開花を揃えることができ、なおかつ魅力的な特性をすべてが持つ苗を作ることができるのです。生産側の都合ではありますが、これによりロスを限りなく少なくできるということが実現できるのです。

 

アゲラタムはキク科の一年草。キク科ですが菊のような花ではありません。カッコウアザミとも呼ばれ、その花はアザミのようにも見えます。アゲラタムは好光性種子であり、発芽には光が必要となる点が注意点。覆土を厚くしないように気を付けてください。通常、種の3倍という覆土厚さになりますが、乾かさない程度のわずかな覆土にしましょう。ぬれた新聞紙をかぶせることも方法ですが、発芽した瞬間にはずすことが必要です。でなければもやしのようにヒョロヒョロになってしまいます。

このように微小の種の植物や、種の形がいびつなものには、ペレット種子という、種子に被膜をかぶせた種子が用意されています。これは種を撒く時に効率よく撒けるように加工したものです。丸く成型されているのですが水を吸うと溶けてしまう被膜です。

 

続きまして、ジニア リネアリアス。同じくキク科の一年草です。百日草ともよばれ、開花期間が長い花壇苗に適した矮性種(草丈が低いコンパクト)になります。こちらはプチランドイエローとプチランドオレンジという品種です。

続いての選手は、サルビア ファリナセア。シソ科の一年草です。寒さに弱いですが、海側のほうであれば冬を越し、翌年も開花することがあり本来は多年草となります。花壇苗ではメジャーな植物で、青い(紫)花の代表になります。品種は濃い青が印象的なビクトリアブルーと白とブルーのバイカラーであるフェアリークィーンの2色を育てます。種袋の写真を撮るのを忘れてしまってすみません。

最後はマリーゴールドです。歌の歌詞にも出てくるよく知られた一年草ですね。今回はボナンザイエローとボナンザオレンジという品種を2色撒く予定だったのですが、、、、が、ということは何かあったということになります。

実は1カ月前にこの種を撒いたのですが、今年の種の質がどうもよくありませんでした。まず種が小さい、細いものが多かったので気になって撒いたのですが、案の定不揃いであり発芽率が悪い、または奇形(葉っぱが委縮)したものが多かったのです。事前に分かったので慌てて違う品種の種を手配しました。このブログを書いている頃はまだ手元に届いていません。あと数日で違う品種のイエローとオレンジが届きますので、届き次第播種しておきます。マリーゴールドはこれらの中でも早く生長するので1週間程度おくれても、追い付いてくれるので大丈夫です。

さて、一粒ずつ種を撒いたら覆土をして、最後に水やりをして完了になります。繰り返しますがアゲラタムの覆土はごくごく薄くしてください。

育苗温床の中で発芽を待ちます。

発芽には適した温度が必要です。。今回撒いた苗は一般的に15~20度が発芽適温になります。早春においてはこの温度は作ってあげないと発芽することができません。。

加温設備の作り方は以下のブログをご参考になさってください。

家庭でもできる早春の種まき~加温育苗で早く育てる~

この育苗加温設備の力はというと、加温設備の外が、最低温度4度に対して、12度程度の保温力ということになります。夜間これくらいの温度が最低キープできれば発芽はおおよそ大丈夫です。ただし、夜は保温しますが、朝になると無からずビニールをとって換気をはからないとすぐに50度くらいまで上がってしまってせっかくの苗も枯れてしまうので、毎日、朝には換気、夕方には保温の作業が必要になります。(旅行などにはいけませんね)

ここまでして種まきをする必要はある方もおられれば、一方趣味の範疇では必要ありません。だいたいゴールデンウィーク頃になれば、加温せずとも発芽させることができます。この場合は苗を植えることができるようになるのは7月前後になってしまうので、促成栽培の意味というのが理解できるかと思います。

ちなみに、早春の種まきのブログをいかにご紹介しておきます。

さて次は発芽が揃った頃にでもblogアップしますね。だいたい今から1週間後くらいです。それではまた次回!

 

家庭でもできる早春の種まき~さぁ種を播いてみよう~

<2月24日>

授業では、明石市にある上ケ池公園にある2つの花壇をそれぞれ学生の皆さんが実際にデザインするという授業です。上ケ池公園については以下のURLからご覧いただけます。

https://www.city.akashi.lg.jp/tosei/kouen_ka/shisetsu/koen-sports/koen/001.html

学生さんの中からそれぞれ1点を投票で決め、次年度の花壇のデザイン決定しました。学生さんはこの授業を最後に次は2年生に進級されてしまいます。

このデザインを引き継ぐのは次の1年生になります。

1年生がこれらの花壇を植え付ける授業をするのは5月28日。それまでに苗を育てていきます。

この時の苗は購入するのではなくて、私が育苗することになりました。その模様を進級してしまって関われない生徒さんのために、共有できるような仕組みを考えました。それがこのブログになります。ブログを通じて育苗の様子、そして、自分立ちがデザインした花壇が出来上がるまでを日々追っかけていけるという企画です。勿論どなたでもご覧いただいて結構な内容です。

一つ目は横長の花壇。テーマは「ストライプ」とされました。文字通りストライプの模様を描いた花壇は、細く長い花壇の特徴を生かしたデザインになります。この花壇は、通路沿いにあり、どちら側からも見える位置に配置されているので、中心部に背の高い植物(サルビア ファリナセア)をもってきて、あとは低くなるように、マリーゴールドやアゲラタムを配置しています。スッキリとしたデザインで新しい1年生には管理のしやすさにおいても考慮されています。

次の花壇は、比較的大きな長方形の花壇です。テーマは「五大陸」オリンピックを控えたこの春に五輪にちなんだ輪とそれを5つに分割して大陸を表現して、各国からの来訪者を迎えるというコンセプトの花壇だそうです。白い輪の部分は通路として開けてあり、管理上の配慮もしっかりできています。

 

これら2つの花壇に植える花苗(一年草)たちを育てていくにあたっての育苗計画が次の表になります。

花壇のデザインでは描くだけでなく、苗の数まで明記されています。これによりどの植物がどれだけ必要かがわかるようになり、その数に発芽率、予備苗を考慮して種まきの数をカウントして、資材の数の拾い出しまでを授業で取り組みました。

果たして予定通りお花たちが出来上がり、花壇を彩れるのでしょうか?

種まきからドキュメンタリーでお送りしたいと思います! では次回は3月28日ごろの更新をお待ちください!

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