株分けの方法~アガパンサスの株分け~

Maintenance株分けの方法~アガパンサスの株分け~2019/10/07

アガパンサスというお花、ご存じですか?ユリ科の多年草であるアガパンサスは1mを超える大型種もあれば4~50㎝程度の小型種もあります。花色は一般的には薄いブルー。中には濃い紫や白など花色も豊富です。そんなアガパンサスは暑さ、寒さにもよく耐えて初夏に花を咲かせる育てやすい植物です。

そんなアガパンサスですがお庭に植えてから3~5年も経つと最初の様子とは違って込み合った窮屈な様子に見え始めます。

最初はもっと株と株の間には余裕がありましたが、長期で栽培しているといつの間にか葉が増え、写真のようにビッシリと生えそろいます。

こうなると気になるのは根っこの様子なのです。根がたくさん詰まりすぎて水分や酸素などを奪い合うため生育が少しずつ衰えていくという現象が起きます。時には、茂りすぎると病気や害虫の被害にあいやすくもなります。

これを解消する作業が「株分け(かぶわけ)」という作業になります。簡単に言うと、込み合った株を一度掘り起こし、株をいくつかに分割して、再度スペースに余裕をもって植え付ける作業になります。

こうすることで、衰えていた生育が復活して、再び若々しく生長を始めます。当然、花の数も増えていきます。

多年草や宿根草ではこのように込み合った状況を解消するために株分けを行います。

株分けは、3年から5年のうち生育に合わせて1回行えればよいでしょう。

それでは株分けを始めましょう。

まず株分けの適期は、その植物の形態によって少し異なります。

年中緑の状態を保った「常緑多年草」と呼ばれるものと、同じ多年草でも生育には厳しい気候を乗り切るために地上部を枯らしてその厳しい期間を休眠して乗り切る「宿根草」とではやや違いっています。

今回のアガパンサスは常緑多年草。これらの植物は、春先(3月下旬~5月)と暑さの衰えた秋に入り始めた頃(9月中旬~10月中旬)が株分けの適期になります。

アガパンサスの開花期は6月~8月にかけてになります。開花期直前から開花期にかけては株分けには不向きということは覚えておきましょう。まさに今綺麗な花を咲かせているときは植物は自ら蓄積したエネルギーを子孫繁栄のために放出している時です。この時期に根を痛めるのはかなりのダメージを与えることになります。よって気候が暖かくなり始めてから開花期を迎える前に十分な余裕を持つ時期、そして開花を終え、気候的にも涼しくなりはじめて夏バテの心配もなくなる頃が、植物にとっても株分けに耐える体力を持つ時期になります。

まず株をスコップで掘り起こします。根がビッシリ張っている場合はこの作業がなかなか大変です。根気よく、丁寧に掘り起こしましょう。そしてこの時、根を引きちぎるよりは鋭利な刃物で切り取ってあげるほうが植物の回復には都合がいいといえます。

画像のように、株を掘り取るとかわいそうなぐらい根が露出してしまいます。株分けをしたことがない人にとっては、恐る恐るどうやっていいか迷ってしまうでしょう。

ここは恐れることなく大胆に作業しましょう。掘り取った株を3~4分割程度に分けるわけですが、細かく分けすぎると、植え付けた後の株の開花が遅れることにもなりますので、アガパンサスの場合は目安としては5~8芽程度を一束として分割しましょう。分割にはハサミを使うか、手の場合でも丁寧にゆっくり行いましょう。

 

こうして分割した株を植え付けるわけですが、今回実施したのは、まだ適期には少し早い8月中旬。株分けしたときに葉っぱから水分が放出しやすい時期なので、葉を半分くらいハサミで切り取りました。こうすることで、葉からの蒸散(水分の放出)を和らげることができ、萎れて枯れるのを防ぎます。

株の準備が整えば、植える場所を綺麗にします。植物残渣を綺麗に除去して、植え付ける状態にします。ここで土壌改良のための堆肥を入れたり、肥料を入れたりしますが、今回は割愛します。

 

このように十分間隔をとって(3~40cm程度)植えこみます。植えこんだ後はタップリ灌水しましょう。

この画像は株分け後から役2か月後の写真です。随分、葉も出そろって株分けした直後とは様子も違って生き生きしていますね。

株分けすると、残りも当然でるわけで、このように残った株は、ご近所におすそ分けするか、別にビニールポットや植木鉢に植え替えができます。

どうしようもない時は、かわいそうですが、処分しましょう。

株分けについては以上になります。いかがですか?できそうでしょうか。

時期を間違えなければ、結構痛めつける作業ですが、植物はそうそう枯れることはありませんし、むしろ元気に育てるための園芸作業ですから恐れることなく、ひとまずトライしてみましょう。

植物は植えっぱなしでは綺麗には育ちません。特に草本類とよばれる木ではない植物です。適度に育つ間隔を確保するために株分けは必要な作業になります。

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