新築エクステリアの工事現場にて~記念樹の移植から感じたあたたかな気持ち~

Blog新築エクステリアの工事現場にて~記念樹の移植から感じたあたたかな気持ち~2018/02/16

兵庫県の西脇市にて現在着工中の現場にて、本日移植を行いました。ハナミズキという樹木は施主様ご夫婦の結婚記念樹として15年前に植えられたのだそうです。ご実家の庭に15年前は1mほどの苗木を購入されてお庭に植えられたのだそうです。

ご新築に伴い、この樹木をどうにか移植してもらえないかということで本日堀取りの作業をして来ました。

15年のうちに大きく育ったこのハナミズキを移植することは、容易いことではありません。記念樹でもあり、枯らせることもできないので丁寧に扱わなくてなりません。

 

道具をつかって周囲を堀取ってきます。一般的に幹の根元直径の4~5倍の直径で堀取ることが必要とされています。落葉樹は一回り大きく堀とることが由とされています。丁寧に、枯らすことなく移植するためにさらに一回り大きく堀取っていきました。

落葉樹の移植時期は落葉時期11月~3月とされてますが、時期的にはちょうどいいタイミングでした。

尖った道具で堀取りたい根鉢の下の方も土を掻き落としていきます。四方に延びた太い根をノコギリで切り取っていき、小さな根はハサミで丁寧に切り取っていきます。なかなか時間と根気のいる作業です。

大分、根鉢の大きさがつかめてきたのがわかります。なかなか大きく堀取ってしまったので一人で動かすには、相当苦労しそうな・・・(いや持ち上げれそうにない)・・・不安もありました。

あらかた根鉢を作ったのですこし動かしてみたら、根が下の方に伸びていないようで根鉢が半分にスライスされました。深さ30cmほどでしたが下には根が伸びていなかったのです。

堀取りも移動も楽ではありましたが、何で?

堀穴の底は固い固い土でした。当初の土は真砂土、それも篩いにかけられているようにサラサラの良質の真砂土でした。しかし、底は締め固められており腐食(堆肥分)がほとんど無い状態だったので、ハナミズキの根も伸びていかなかったのだと想像できます。カチカチであるものの、排水は良いようでした。排水が悪ければここまでも大きく生長することもなかったと思います。

もしフカフカな腐食層があれば堀取りにはもっと時間がかかっていたでしょうし、ハナミズキももっと大きく育っていたと思います。

植物の生育は根をみると本当に良くわかります。

今日は堀取って、後日、ユニックで移動するつもりでしたが、根鉢がしっかりしていないこともあり、すぐに移動して定植することにしました。なかなか重たかったですが、幸い堀取った場所と新築の場所は数百メートル。台車にのせて移動開始。そして定植完了です。

このblogで書きたかったのは、ハナミズキの移植の方法ではありません。

このハナミズキを眺めながらお施主様と立ち話してたのですが、当時まだまだ小さかった苗木がこんなに大きく育っていたことに驚いたそうです。これまでは広いお庭にポツンと植わってたので大きさを間近に感じることはなかったそう。あらためて実際の大きさを目の当たりにされて、月日の経過を感じれたこと、気づけたことを喜んでおられました。

記念樹は人生においていろんな節目に植えられることがあります。その樹種もいろいろです。植物と付き合うというのは非常に面白いことで、何気ない日常にふっと気づかされることがあるのです。その瞬間にはとても穏やかで優しい気持ちになれるのが植物の力なんだと思います。何も文句も言わず、いつの間にか大きく育っている植物はいつも我々の生活を見守っていてくれるんです。

今日、ハナミズキを移植できたこと、間もなく完了する工事の完成を待ち望んでおられるお施主さまに、先駆けて喜んでいただけたのが何より嬉しいです。もう一踏ん張り頑張って、末永く愛してもらえる空間づくりにしたいと思います。

これから玄関の入り口にあるこのハナミズキを毎日眺めてもらえそうです。「夫婦ケンカしたときも、いつも記念樹を植えたときの初々しさが思い出されますね!」といったら笑っておられました((笑))