それぞれのいいところが集まった寄せ植え

Blogそれぞれのいいところが集まった寄せ植え2016/10/12

今日、仕入れに園芸店をうろうろしていた時に、ビビーっときたこの器。グレーの渋い鉢があったので思わず購入。ずーっと前に100円ショップで買っていたナギの苗と結びついて、衝動的に寄せ植え作業に突入してしまいました。

このところ急激に寒くなってきていますね。秋は猛スピードで過ぎ去っていきそうなので少し焦っています。今日はこの器とこの植物がこんな植え込みに変化するブログです。100円ショップで見つけたこのナギ。漢字では梛木と書きます。マキ科の針葉樹。葉っぱの形だけでは広葉樹と思いがちですが、葉の葉脈をみると縦に沢山の平行脈があるのをみると納得します。学名はPodocarpus nagi podo(足)+carpus(果実) とは、種子の付け根が肥大する特徴から名前がついています。nagi は日本名のナギからきているようです。(出典:植物学名大辞典 編者万谷幸雄)

本来、高木で25mほどの大きさまで生長するようですが、庭で植えられているのは比較的少ない気がします。なので100円ショップで出会ったときに、「へー」と手に取って購入してしまいました。300円かかったと思います。調べてみると、観葉植物としては流通しているみたいです。ポットに何本も実生が出ています。ポットの中に種をポロポロとまいて発芽してしばらくしてから出荷という感じで生産されたようですね。非常に強い植物ですので生産コストもあまりかからないのだと思います。日陰にも耐え、虫や病気にも強いという特性がインドア観葉植物としても育てやすいのでしょう。

この木のいわれとして「縁結びの木」とされています。葉が簡単には裂けないところから縁結びということだそうです。仕事関係上も同じく人と結びつける有り難い木ということですのでさらに創作意欲がわいてきました。

他に使うものは、ヤマゴケ。ホソバオキナゴケと呼ばれる苔です。湿度を保てれば日陰でも強く育てやすい苔です。見た目もそうですが、お水やりしたときに土を流れにくくする効果もありますので、足元の植え付け材料としてはベストパートナーだと思います。

植え込み資材として使用する資材ですが鉢、植物の他には土と鉢底用ネットです。今回は鉢が浅いので鉢底石は使いません。ネットをそこに敷き詰めて排水層をわずかですが確保するように植えこみます。土はプランター栽培、室内栽培の場合は軽い材料で配合されていて清潔そうなものをお勧めします。すごくアバウトで申し訳ないですが、土は品質基準が確立されていないのでどれを買うのがいいのかわかりにくいですね。親切な販売店はサンプルとして、手に取って見れるようにしてあります。それでも詳しくないと見ただけではわかりません。水を実際土に含ませてみて排水、保水まで確認するわけにもいかないので判断に迷います。安かろう悪かろうではないのですが、安い培養土にはそれなりの理由があって土質を選ばない植物にはさほど影響ないですが、排水が悪く通気性の悪いものが多いように個人的には思います。販売店の価格ラインの中~高を購入していろいろ試してみましょう。

ナギをせっせと植え付けていきます。ポット苗に入っていたナギの実生は全部で11本。そのうち5本を均等に植えこんでいきます。あれやこれやといろいろ植えず、ナギとコケだけの非常にシンプルな寄せ植えです。故に植え方も極シンプルに均等横一列。そのほうがナギの実生の良さが伝わるかなと思ってそうしています。少し固い葉が固いイメージを醸し出していますので、ナチュラルというよりはスッキリ植えたいと思いました。

この寄せ植え以外はほんとに何もいらないといわんばかりのメッセージ性が!?伝わったかどうかはべつとして、なかなかいい仕上がりになりました。

この寄せ植えを見てて思うのは、鉢がとてもよくても、鉢だけではその良さは伝わりにくい。ナギの苗も100円ショップでは雑多に置かれていてそれほど目を引くものでもない。コケは山に行けばいくらでもある材料。そして土、ネットは見た目そんなに良くない。それぞれの材料を個々でみると「はぁそうですか」という程度のものですが、すべてがあつまったらそれぞれの見た目や機能が相互に作用して、こんなにも素敵な寄せ植えに化けてくれました。これなら和室でもリビングでもどちらでも合いそうな寄せ植えかと思います。