輪を描き、空間と暮らしを繋ぐガーデンエクステリア 

Works輪を描き、空間と暮らしを繋ぐガーデンエクステリア 

神戸市灘区 M様邸

『お客様との出会い』

知人からのご紹介でお会いする機会をいただきました。ご所有の土地の隣を、土地・建物共購入され今回のリフォームをご検討されていました。「二つの土地を一つにしたい。お庭も含めてトータルにプランニングしてほしい。特に門周りは豪華にしたい。」というご要望でした。同時にメンテナンスができるだけ少なくなるようにもお望みでした。

『プランニング』

異形地で高低差も違う2つの敷地をひとつにするのはなかなかの課題でしたが、今回は同心円で繋ぎ、ひとつにまとめ上げることをコンセプトにしました。構造物やアプローチ、階段なども同心円のなかで広げて配置していくことで、高さが違えどまとまりの出るデザインになっています。2世帯分の入口となる門屋はその同心円上に配置され、2つの勝手口とメインの門扉を備えます。門扉も円のデザインを用いたオーダー門扉。門扉を入ると左手に円を描くように上の敷地へと上がってく階段。そして右手の別の方向には円の広がりから繋がる直線のスッキリしたお庭へと景色を変えます。四季折々に花を咲かせ、緑や紅葉を楽しめる植栽計画にしています。
できるだけメンテナンスが軽減されるよう、植栽エリア以外はタイルや石で舗装にしています。

 

「門屋外観」

円周にそったデザインのR門屋。力強さを出す石貼りは建物の外壁の色に近いもので、石のテクスチャがきれいなものを選んでいます。ライトアップでその印象がもっと良くなります。真ん中はメインの入口、両袖には勝手口を備えて、それぞれ電気錠が備えられています。

『オリジナル門扉』

ロートアルミ製のオリジナル門扉は、デザインもコンセプトに併せて円を取り入れました。中への視線が少し気になるというお施主様にお答えして、ハンマートーン仕上げのプレートを取り入れて少し目隠しの部分も取り入れています。外からエントランス内部の植栽をはじめとした景色が門扉を通してちらっと見えるように、今回は透過性のあるデザインを採用しています。

 

「門屋内部の様子」

円の中心から左へ上がると上の敷地への階段、右へ向かうと別邸のアプローチへと繋がっています。円周上にできた階段をゆったりと上がりたいというお施主様のご希望で、階段の間口を広く造っています。木々をくぐるように、そして花壇には低木や下草が季節には花を咲かせる素敵な階段になれば願いデザインしています。

 

 

植栽は雑木で囲われた心地よい雰囲気を出したかったので、イロハモミジ、ナナミノキ、ヒサカキ、コブシなどを中心に,下草にはトキワイカリソウ、コクチナシ、ギボウシなど比較的丈夫なもので下草類も種類多く取り入れています。派手さはありませんが、環境に適した、丈夫で緑の優しい植栽にしています。

 

「上の敷地の様子」

既存の生垣を撤去し、木目調のフェンスで目隠しをしています。生垣の手間をかなり軽減することができ、同時に生垣の分、広くなりました。もともとは芝生を貼ってありましたが、この芝刈が年々大変になってきたということで、100角のタイルを敷き詰めて草が生えないようにしています。このあたりのデザインは中心の円周沿ってアプローチを広げています。この円の配置、タイル貼りの追出しは非常に手間のかかる作業です。手がかかるからこそ仕上りはとても綺麗で、伝わるものがあります

このエリアは、上の建物のリビングの正面になります。植栽はハナミズキ。足元にはアガパンサスやクリスマスローズ等、お花が咲くと目立つものを植栽しました。クリスマスローズが咲き、そろそろ春が近づいて、そのあとハナミズキそして初夏に向かってアガパンサスが花を順次咲かせていきます。

今までは生垣の緑の景色でしかありませんでしたが、今度は構造物や植栽が風景に入ってきました。施工前と施工後では雰囲気が様変わりした様子がわかるかと思います。

「別邸へのアプローチ」

今度は方向が変わって、円の中心から方向を変えて別邸側へと向かいます。同じく100角タイルで縁に沿ってアプローチを作っています。要所要所に中木を配置しています。ヒサカキ、ヒメシャリンバイ等。それほど広くない場所なので、枝を大きく広げない、常緑樹にしています。

 

 

 

「別邸お庭」

円形とは打って変わっての直線が映えるデザインにしています。こちらは草引きをできるだけ少なくするため、ほぼ舗装で覆っています。植栽との相性が良い石材も植栽の近くに配置して両者がうまく引き立つようにデザインしました。タマリュウを植えこんだ目地がまっすぐ伸びるラインが、お庭をスッキリ広く見せています。

この敷地は、写真ではわかりにくいですが、実際は異形地なので、直線で広く、四角にデザインしていくと、デッドスペースができてしまいます(死に土地)。ここには植栽を配置して、他はお庭が広く使えるようしっかりスペースを確保しています。植栽は、できるだけ管理が軽く済むように木本類を中心に、それぞれの間隔も広く植えています。草引きの作業等も考えて、あまり奥行きが深くならないような寸法にしています。植栽スペースをきっちり分けたのには、管理上を考えて出来るだけ植栽の集合体をつくるようにしています。あちこちに植わっているよりもわかりやすくて管理は楽でしょう。

種類は、冬でも寂しくないように常緑と落葉をバランスよく配置しています。テーマは洋風の植栽。花木として珍しいものではロドレイア、イジュ等があります。いずれも花木を多く取り入れています。早春から初夏にかけては花を楽しめるお庭です。他にもカラーリーフであるナワシログミ〝ギルドエッジ”や斑入りサカキなども取り入れています。

 

 

『お庭』

白い素材を中心に使いました。夏は少しまぶしいくらいですが、春はさわやか、冬も寂しい感じにはならないガーデンになりました。白い壁には緑が映えて写り、植物を引き立ててくれます。

まだ植栽が育っていませんが、数年の内にもっと緑量が増えてきます。カラーリーフ(葉に色や斑がついているもの)も取り入れています。大きくなるについれて、華やかなお庭へと変わっていくでしょう。

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