可愛らしさと上品さを併せ持つクラシカルガーデンアプローチ

Works可愛らしさと上品さを併せ持つクラシカルガーデンアプローチ

兵庫県 西宮市 名塩山荘 D様邸

『お客様との出会い』

弊社ホームページをご覧になられてお問い合わせくださいました。当初の新築時からエクステリアの計画が進んでいたのですが、もっとご自身の意向に沿ったエクステリアにできないかということで弊社を見つけていただけました。

『ご要望』

ナチュラルで枕木を使ったエクステリアをご希望されていました。自然素材やクラシックな素材がお好みなお客様。お花やみどりとこれから一緒に生活することを強く希望されており、ゆったりと過ごしていただけるような生活を叶えるべくプランに取り組みました。

『コンセプト』

~可愛さと上品さを併せ持つクラシカルガーデンアプローチ~

お客様のご希望やお好みとハウスメーカー様の持つイメージをうまく併せたプランにしたかったのでこのようなコンセプトにしています。今回、アプローチの取り方がエクステリアの良し悪しを左右することが明確でした。プランの肝は、外観左に計画するガレージからの動線と、正面の道路からの動線を違和感なく繋ぐための機能性を持たせたデザインと、道路から建物までの距離が取れなくてもゆったり大きく上品に、緑を楽しみながら家の中へ誘うような雰囲気づくりを大切にプランしている点にあります。そして素材は「経年変化」を大切にした素材を選んでいます。

ガレージから玄関ポーチまでは、段差のないスロープ形式にしています。敷地の高低差を生かして、無駄な段差を作らずに配慮しています。タイルは玄関ポーチに既に施工されていたタイルを採用してつながりを持たせています。タイルは汚れに強く、フラットで歩きやすい舗装に適した素材です。またこの白いタイルは、北側玄関であるこのお家の印象を明るく見せてくれます。ですのでこの素材の面積を多く取ることで、より玄関まわりが明るくなりました。

正面の動線の作り方には工夫を凝らしています。小さくまとまりがちな門周りを少しでも大きく見せるために、階段のデザインで実現しています。門柱はさりげなく可愛くまとめ、その門柱を取り巻く階段でゆとりと大きさを表現しました。シンボルツリーが脇に添えられており、枝葉をくぐるように歩く楽しさと、構造物では表現しきれない高さや広がりをつくってくれる植物の魅力で、このお家の魅力を高めています。

今回お客様のたってのご希望であった枕木。この素材は最近では朽ちていく素材として、また枕木に含まれるクレオソートという薬品の害により使われることが減っています。これらの問題を解決する素材として擬木の枕木を使っています。擬木枕木には各社いろいろありますが、その中でもリアルでクラシカルなものを取り入れています。枕木の隙間は取りすぎないように計らいました。個人的にはこのくらいの隙間が間延びせず、窮屈せずで気に入っています。

前面道路の高低差は少し急。お庭としても使いにくい地形は、植栽スペースとしてデザインしています。傾斜がついているので、土の流出をおさえるために姫高麗芝をはっています。芝以外にも素材の検討は重ねました。いずれにせよ防草シートで覆いかぶさない限り、植栽のメンテナンスは必要です。短期間で伸びる植物は頻繁な刈り込みが必要になってきます。候補に挙がる植物は芝生かタマリュウ。踏圧にも強くなければなりません。日陰においてはタマリュウを選びたいところですが、和風の雰囲気が出すぎることと、土の流出を完全に抑えるには数年かかりそうなので、今回は耐陰性が他の芝よりもある姫高麗芝を選んでいます。

植栽樹種は、日当たりの加減を考えて植栽しています。アオダモ、ナナミノキ、ハクサンボク、ハイノキを高・中木として、全く日の当たらないところにはサルココッカを使ってグリーンの色ができるようにしています。施工直後はさみしいところもありますが、充実するのにはあと3年くらいは必要かなと思います。下草類は、比較的手入れの簡単なものを選んでいます。ギボウシ、フッキソウ、キキョウ、ヤブラン等。当たり前によく見られる植物でもそれらの園芸品種をえらぶことで綺麗な植栽になるようにしています。葉色、葉形に着目しながら選択しました。個人的にはオクタマコアジサイが、早く大きくなって上品なおしとやかな花を咲かせてくれないか楽しみです。

また春になって緑の葉っぱや花の色が出始めたころに、写真を撮りに行きたいです。お庭やエクステリアには緑が欠かせません。季節感を感じれるということは生命を感じることであり、日々の暮らしの中に無くても済まされてしまいますが、あると、知らないうちにその人の心の中に息づくような気がします。

昨今、手入れが大変なので、、、というご依頼も多いのは確かで、理由も切実なものが大半です。しかし、緑を無くすことを第一に考えずに、上手に付き合っていける方法があるなら、その提案をしていきたいと思います。そのためには自らも植物と向き合って仕事をしていかないといけません。そのために私は企業という枠から少し離れて、今の仕事を続けています。(少々余談でした)

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