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2018
3/25

家庭でもできる早春の種まき~さぁ種を播いてみよう~


先回のブログでは、早春に種をまくときに必要な育苗トンネルの作り方を説明しました(2018年3月18日のブログ)。今回は実際に種をまく作業についてお話しします。出来上がりイメージは、写真のようにプラグトレー(セルトレー)に播いて、発芽を待つところまでで一旦終わります。

そして、適温下で数日間後には発芽が始まります。発芽から本葉4~5枚になる頃、ポットに鉢上げ(植え替え)という作業を行いますが、それまではこのプラグトレーで栽培します。ひと昔前、まだプラグトレーが無かったころは「育苗箱」と呼ばれる箱が使われていました。木の箱だったり、発泡スチロールも使われてました。このプラグトレーが出来て以来は、生産性の向上、均一な苗の生産には欠かせないトレーとなりました。なぜなら移植の時に根を傷めずに取り出せて、移植ができるのでストレスが軽減されるのです。それゆえ沢山の苗を作るときには品質の均一化が可能になります。同じ時期に同じくらいの大きさまで育った苗を揃って出荷できるのです。(勿論、他にタネの品質も大きくかかわってきます)

まず準備するものは

①プラグトレー(穴の数はいろいろありますが、今回は200穴のものを使います)

穴の数は多ければ多いほど穴の大きさが小さくなるので、根の回りが早くなり移植が早く行えます。ただし乾きやすいという点にも注意が必要です。最初は72穴、128穴、200穴ぐらいが管理しやすいと思います。そんなに沢山種まきしない場合は10穴程度のトレーもありますし、ハサミでカットもできますのでご自身に合った大きさで試してみてください。

②育苗用の土(今回はタキイ種苗の種まき培土50L)

育苗用の土のおすすめは、まず無菌であること(専用のものを購入すれば大丈夫です)。何年も取り置きせずに一年で使い切るほうがいいので購入量には注意を。そしてダマ(塊)ができにくいものが良いです。ダマ(塊)があるものや出来やすい土は、プラグトレーに入れたとき、プラグ穴の中で通気性が悪くなったり、変な隙間を作りやすいので、ある場合は指でつぶしてから使います。安心して使えるタキイ種苗さんの培土がおススメです。

さて手順を説明します。まずプラグトレーに土を入れていきます。

サラサラの土ですと、速やかにしっかり穴の中へ土を充填することができます。この時注意が必要なのは、どの穴も均一に土が入ることです。そして、穴の大きさ以上に土を入れない事です。この後、種をまく前に水をかけて湿らせますが、外へ流れてしまうので無駄です。トレーの黒い縁が見えるくらいで十分です。この作業のときは、大きな樹脂製のトレーがあると作業がしやすいですよ。

この後、入れた土を穴にしっかり詰めるためにひと作業します。

あまり強く押しすぎてはいけませんが、空のプラグトレーで上から土を押えます。軽くで結構です。平らなところで10㎝くらいトレーを持ち上げて落す作業をするのもいいです。土を落ち着かせる要領です。そうすると土の面が少し下がるのが分かります。押さえすぎると、隙間がつぶれて排水や通気性が悪化するので加減が必要ですが、まずは注意しながら作業をしてみてください。このように、トレーの穴の縁が良く見えているのが分かります。

次にまずは水を含ませます。

この作業もポイントがあります。農業用のシャワーがおススメです。穴の大きさが小さくて、やさしい水勢で与えることができます。ジョウロの場合は、蓮口を上に向けて与えると水量が弱まってやさしい水が流れます。そうしないと、土の表面をたたいてしまって、土の細かい部分が表に浮かび上がってきます。目詰まりの原因になります。

「ZETTO 農業用ノズル」がお勧めです。種類はいくつかあります。画像のように水の出方が細かく、水量も優しいので使いやすいです。手元にコックがついているものは水量も調節ができるのでさらに重宝します。市販のプラスチック製のジョウロだったり、ホースリールについているガンでは出せない細やかな水が出せるようになります。育苗に使うには、蓮口の大きさが小さめのほうが使いやすいと個人的に思います。4~5㎝程度が扱いやすいです。大きくなるとコツがいります。

こんな感じで、少しずつ用土に水を含ませていきます。さっと水をだしてから一旦話すと、水が染み込む様子が分かります。しみ込んだのを確認してから、またさっと水を与えます。ジャーと与え続けると、排水よりも与える水が多くなって、土が溢れるのでコツをつかむまではちょっとずつゆっくりしみ込ませてください。

数回繰り返したら、トレーを持ち上げてみてください。ずっしり重みを感じたら十分水を含ませることが出来てます。重さは実際に持ち比べたらすぐにわかります。水が十分にしみ込んだ後で、写真のように少し土が下がっていたらちょうどいいくらいです。

いよいよ種まきです。種には好光性の種子と嫌光性種子があるのをご存知ですか?種袋の後ろに書いてあると思います。光を好むか嫌うかということです。種まきの基本は種の3倍の深さで土をかぶせる、又は穴の深さを決めます。しかし、好光性種子の場合は土をかぶせてしまうと、発芽しにくくなります。水やりをこまめに出来る方であれば土の上に種をのせるだけでいいのですが、仕事にでたりとこまめな灌水ができない方は種の上に「濡れた新聞紙」をかぶせるか、「うっすら覆土」を行ってください。「塩少々指でジリジリ」みたいな感じです。一旦吸水した種は乾いてしまうと発芽しなくなってしまいます。うっすら覆土くらいまではしても大丈夫ですし、種の乾きを防いでくれます。

しかし、濡れた新聞紙をした場合は注意が必要です。常に発芽のタイミングを観察してください。ちょっとでも忘れると、新聞紙を開けたらモヤシみたいな苗の状態になってしまいますので。

タネをまくときは、まず適当な棒で一定の深さで穴をあけます。そして、紙を二つ折りにして種を紙に出します。爪楊枝か何か先がとがったもので、穴に落としていくと作業がしやすいです。紙は、ハガキ等のしっかりしたものがいいですよ。コピー用紙等は濡れてグニャグニャになると作業がグニャグニャに(笑)そして覆土は、上から土をかけてもいいですし、つまようじで、周囲の土を寄せてかぶせてもいいです。上から覆土をかける場合はかけ過ぎて、穴の縁が見えなくならないように注意してください。

他にも、確実に一粒ずつまく場合は、爪楊枝の先を水で濡らして、種をつつくと、写真のように先に種がくっついてきます。それをそのまま土へ押し込むように埋めます。覆土の手間が省けるので、器用な方にはお勧めです。種は小さいので、目が悪い方には少し難しいかもしれません。

タネをまき終わったら、忘れず名札を書いてください。播いた日と名前は大切な記録です。

お水やりを最後にもう一度します。同じようにやさしくやさしく。水を溢れさせてはいけません。特に好光性種子は水に流されてしまうと、土の隙間の奥へ入っていく場合があります。この場合は噴霧器を使うかプラグトレー用の底面吸水トレーがありますのでそちらもお勧めです。

適温下であれば早いもので3日ほどで、遅いもので7日ほどで発芽が始まります。温度が足りないと、発芽が日数以上かかったり、発芽するタネが播いた数に対して極端に少なくなります。適温で80%程度発芽しますが、割合が20%とか0%とか。

今回播いた種の種類を他にも紹介します。

植物によって種の形や大きさはいろいろですね。こんな小さな粒から発芽するのを見ると、生き物の力強さを感じます。ジーっと眺めていたくもなる気持ちは種をまいた人にしかわかりませんので、是非皆さんもチャレンジしてみてください。

本ブログで、これ以降の作業も随時お知らせしていきます。

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